閑話598・『骨せんべい耳の』

「骨が喉に、けほっ」


『エルフの?』


「うえええええ」


取り敢えず肉を大量に口に入れて飲み込むとやがて痛みは消えた。


少し骨を食うのに抵抗が―――――そんな出来事、耳の骨?魚の小骨のように俺を苛める。


けほけほ。


「痛かったぜ」


『急いで食べるからだよ、下品』


「生まれが生まれだからな」


『神様の子供なのに言うなァ』


「お腹の膨れない理由だぜ、もぐもぐもぐ」


『またそんなに急いで食べると――――』


「喉に耳の骨刺さるのもなんかいいな」


『好きになさい』


「好きにしてるけど?」


『………ふんだ』


「怒られる意味がわからん」


不貞腐れたキョウの声、甘ったるい声に怒気を含ませても意味が無い。


それこそ愛らしいだけ。、


不憫だぜ。


「骨もボリボリ」


『反省してないねェ』


「骨うまい」


『――――――――――』


「兎に角うまい」


『――――――――――』


「うっ」


『!?』


「まい」


『はぁ』


呆れられる筋合いも無いぜ。

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