閑話565・『味のバランス2』

「なんだこの死骸」


『理想のエルフらしいよ』


「えぇぇ」


不細工なお人形、死体のお人形、手作りお人形。


死臭と腐臭と煤けた匂い。


「………エルフ?」


『正解』


「の死骸」


『不正解』


「腐生かい?」


しかし返事は無い、食べ物で遊んだら駄目なのに―――どうして。


歪な死体のお人形。


「いや、これ、何なんだぜェ、こわぁ」


『物スゴク可愛い笑顔で作ってたよ』


「誰が?」


『キョウが』


「――――――――――凹むぜ」


貧しい村で育った、食べ物を粗末にすると心が痛む。


くるくるぱーの俺めっ。


「なにを考えてんだ」


『どうするのソレ』


「食う」


影にズルズル引きずり込まれるソレ、食事の音は何だか乏しい。


骨と皮だ。


「―――――――体に優しい味だぜ」


『ああ、そう』


「――――まずい」


『そりゃそうだ』


理想のエルフは見た目と味が悪い。


くるくるぱーの俺に伝えたい。


俺だけど。

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