閑話559・『せっきゅす2』
ひだりてがききて、みぎのひとがいるように、しかも、しかもだ、おしえたくないけどおしえる。
りょうききのひともいるのですよ――――声は止まない。
「だからかたうでとか」
「たべてにがしたらだめだ」
「やっぱりりょうほうおいしいばあいもある」
「そもそもたべのこしをりようしてえさをふやす」
「それがまちがいのようなきがする」
「いくらでもふえる」
「あいつら」
「せっくすしってるから」
「ちゃんとしってるから」
「ふえます」
「しらなかったらおしえたげた」
「おしえてふやした」
ちゃんとせっくすできますか。
できたらふえてください。
えさなんですからね。
しっかりして。
しっかりたべて。
しっかりたべられて。
しっかりおおきくなって。
しっかりおおきくなるから―――毒々しくもたどたどしい。
「おしえてもふえる」
「おしえなくてもふえる」
せっくすをすることでふえます、たくさんふえます。
おかずになります。
ごはんですよ。
いつでもききにきてください―――可愛い私のキョウの願い。
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