閑話536・『食べたいのん』

「みみまるとみみとがり以外の耳ってある?」


「ドワーフの耳は丸くて大きいけど……いきなりどうしたのォ?」


「メモメモ」


「?」


「食べたいものメモ」


「ちょっと見せてェ」


「ああああ」


広げたソレを一瞬で奪い取る、不満げな顔も可愛らしいので問題無い。


ノートの内容は将来的に食べたいものを綴ったものだがおぞましい内容になっている。


ドワーフの耳なんかまだ可愛い方だ。


「グロイ」


「うぅ」


「キモイ」


「うぅう」


「………巨大なムカデ?」


「サソリは美味しかったからな」


「一応過去の経験から割り出してるのかァ」


「うん」


過去の経験が禄でも無いのはここでは黙っとくかァ。


しかし悪夢を具現化したような内容なので目が腐りそうだ。


物理的にも精神的にも辛い。


「これは没収します」


「いいぞ」


「…………え」


「キョウも食べたいんだろ?ふふ、食いしん坊だぜ」


「う」


「食いしん坊だぜ」


全く違うけど勘違いさせといた方がいいかな?


「それでいいよ」


「ドワーフの耳でいいのか?」


良く無いよォ。

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