閑話453・『えりゅふ2』
泥人形を製作していると背後から視線を感じる、最近のマイブーム。
もうちょっと上手に作れたような気がする、もっと……生きているような。
キョウを見る。
「ふへへへへ」
「どうしたの」
「泥人形作った」
「ひぃ」
「ん?普通の泥人形だぜ」
「あ、ああ、そうだね、上手に出来たねェ」
褒められるような出来とは思えないけど素直に受け取る。
ま、まあ、まだまだ未完成品だけどなァ。
「泥人形」
「耳が―――尖ってるのは何故?」
「え、そうか」
「ほら、尖ってるよォ」
「ホントだぜ……どうしてだろう、意味不明だぜ」
「う、うん」
「適当に作ったのに……まあ、尖ってる方が丸いのより楽だからだぜ」
そのまま再度泥遊びに集中する、丸みを形成するように指先で尖らせる方が楽だ。
人間の耳難しい。
「でも丸い耳の方が可愛いかなァ」
「丸い方が?」
「私は好きだなァ、キョウも私も耳は丸いし」
「い、言われて見ればそうだぜ」
「うん」
「じゃあ丸くするぜ、えい」
そう言って指先で泥人形の耳を削ぎ落とす。
消えちゃえ。
「ひぃ」
「どうした?」
そ、そんなに驚く事ねぇだろうが。
ドキドキ。
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