閑話398・『舐めるか食うかどうするか2』

あの小屋はどうしてあんな事になったんだろう、何時の間にか粉々になってた。


誰か壊したのだろう、誰か片付けたのだろう?そんな事を考えて眠っていると灰色狐に撫でられそうになる。


視界に掌が見えた瞬間に指に噛み付く、先端に鋭い痛みを与えた方が獣は後退する。


「触んな、気安い」


「キョウ」


「―――俺の小屋」


「忘れなさい」


一瞬強く噛み付いてやった、骨の感触に少しビビってすぐに離した。


身内に肉はいらない、いらない、いらな―――。


いよな?


「エルフ小屋は湖畔の街で失敗したのじゃろ」


「失敗つーかいつの間にか壊れてた」


「……」


壊れてた、誰か『悪い人』が壊したのだ、エルフを飼え無いように。


余計な事を語らせるなと灰色狐を見ると涙目になっている。


尾も元気が無い、今更痛みが来たか?


しらないもん、


「ゆ、指が痛いのじゃ」


「つーん」


「き、キョウ」


「指より小屋」


「うぅうう、痛いのじゃ」


「――――――」


「うぅ」


「謝んないぞ」


「当然なのじゃ」


「ふん」


「うぅ」


「…………おい」


「な、何なのじゃ」


「……舐めてやる」


噛んだり舐めたり好きにする。


俺のモノだし。

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