――

―――

――――




「あら~、久美子ちゃん、久しぶり~」


「あっ、愛子さんもこのスーパーに買い物ですか?」


「そうなのよ。今は息子が学校に行ってるから、買い物はだいたいこのお昼の時間帯が多いのよ」


「拓也くん、いくつになったんですか?」


「8歳よ。いま、2年生なの。ところで、久美子ちゃんとこの里緒菜ちゃん、いま何ヶ月だっけ?」


「もう少しで9ヶ月です。ねぇ、里緒菜~」



《バブ、バブ~》



「今日も車のチャイルドシートに乗って、一緒にスーパーに買い物に来たんだよね~」



《バッブ~》



「アハハ、車の中でぐっすり寝たからご機嫌さんだね~。日差しが眩しくても、今日は起きなかったね~」


「ねえ、久美子ちゃん、もう、里緒菜ちゃんは離乳食始めてるの?」


「はい。あっ、あれ便利ですよね」


「あれって?」


「お湯で温めて使うレトルトシリーズです。手軽で便利ですよね」


「確かにね。色んな種類もあるし、忙しい朝には、助かるわよね~」


「中でも里緒菜は、クリームチーズリゾットが好きみたいです」



《バッブ~、バッブ~》



「そうなんだ~、あっ、夜泣きはないの?」


「それが、今までほとんどないんです。夜の9時に寝たら、朝の7時半までぐっすり」



《バブバブ~》




「うっわ~、すっごい親孝行な子ね~」


「でも、そう言いながら、なかなか寝つかない日も、たまにあるんですけどね。寝たかなと思ってベッドに置こうとしたら……また泣きだしたり……」


「あれって、不思議よね。背中にスイッチでもあるみたいよね」


「あと、たまに寝返りをうとうとして、そのままくるってうつぶせになったり、寝ぼけたまま、ボーッと天井を見てたこともあったんですよ」


「アハハ、かわいいじゃない」


「まあ、寝てくれない時は『大丈夫よ、ママは側にいるから』って言い聞かせながら抱っこしていますよ」



《バブ、バブバ~》



「その愛情、ちゃんと伝わってるわよ」


「だといいんですけど」


「あっ、そういえば、旦那さんは子育て手伝ってくれるの?」


「う~ん、仕事が忙しくて帰りも遅いですからね……」


「まあ、それじゃ、しょうがないわね」


「今の家からは実家も遠いし、ちょっと大変ですよ」


「1人で子育てしてる久美子ちゃん、かなり尊敬だわ~」


「ありがとうございます。まあ、この子には私しかいないんでね」



《バブバブ~》



「そうよ。里緒菜ちゃんの成長は、久美子ちゃんにかかってるんだからね」


「もう、そんな風に、プレッシャーかけないでくださいよ~」


「アハハハ~、ごめん~」




――――

―――

――







生きられない





今の私は






あなたなしでは、生きられない










【END】



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あなたなしでは【短編】 ジェリージュンジュン @jh331

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