第16話 walk & stay 20100511





電車を降りると

霧雨の中を歩いた


ひんやりとして少し肌寒い




おじいちゃんが着ていたものだという


薄い緑色の

着物のような服が

泥だらけになっていた





屋台の前で

『餡とおこげが食べたいね』と言った



おなかがいっぱいの私は

黙ってただ笑う




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淡々と

とつとつとした喋り




犬っころのような私



不器用な言葉を

事もなげにひろってくれる



気楽だった





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