第14話 押す 20100504
一番前の席に座って
雨の中走るバスに乗っていた
坂を登りきる寸前に
エンストしたみたいに停まってしまった
私はすぐ運転手さんに言って
ドアから降りて後ろにまわりバスを押した
たいした力もいらず
バスは前進し坂を上りきった
登りきった先で待っていたバスに乗り込むと
私の後ろの席の男の人が
私の座席に置いておいた荷物をいっときもって
座りやすいようにしてくれた
その人はバスの中にいたはずなのに
雨に打たれたように濡れていた
座った私は『ありがとう』と言ってその人から荷物を受け取る
またバスが走り始めたから
私は前を向いて前方の大きな窓から見えるその先を見つめた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます