第1話 いつもの朝

僕の朝は朝食の準備から始まる

あらかじめ炊いてあるご飯をかき混ぜ

下ごしらえを済ませたサケを網に乗せる

味噌汁は既にスタンバイ済み

一通り済ませたら同居人を起こしに2階へ

いつものように部屋に入ると


「うにゅ…」


彼女はいつものように丸くなって寝ていた。

長い黒髪、白く透き通る肌、猫のように愛らしい寝顔。

これを毎朝眺められるなんて僕は結構な幸せ者じゃないのか?

それはさておき、彼女を起こすべく僕は

カーテンを一気に開けた

それと同時に差し込む光に思わず


「うぅ…眩しいよ…」


なんて可愛らしい抵抗の声が聞こえてくる


「ふぁぁ〜」


嫌々ながらもゆっくりと目を開けこちらを向く


「…お兄ちゃんおはよ」


高くて綺麗な声


「おはよう、燈華とうか|《ルビを入力…》。朝ごはんの準備はもう出来たぞ」


「うん…今行く…」


この、朝にはめっぽう弱い美少女が

僕の妹の燈華である

彼女が着替える素振りを見せたので

僕は早々に部屋を出て、サケの焼き加減を

確認するために下へと戻った

サケを網から皿に移し、ご飯を茶碗に盛り付け味噌汁を注いで、テーブルに運べば僕の朝の日課が終わる

それと同時に制服に着替え終えた燈華が

降りてきた


「お兄ちゃん、今日の朝ごはんは?」


「今日はあえて定番中の定番、焼きサケと豆腐の味噌汁だ」


「確かにこれは定番だ」


そう言って妹は席に着いた

僕もそれにならって席に着く

そして合掌、一礼


「「いただきます」」


そう言って僕と妹はいつもと何ら変わりない朝を迎えた


「お兄ちゃん、今日はどうするの?」


「今日は高校の入学式だぞ…。だからこんなに早く起こしたんじゃないか」


「あー、そういえばそうだったね。でもさ〜、昨日は結構キツイ任務こなしたわけ出だし、もう少し寝ていたかったよ〜」


「それには激しく同意する。でも、遅刻する訳にはいかないからな」


「わかってるけどさ〜。うぅ〜眠い…」


いつもと変わらない朝の会話


「俺だって眠たいよ。実際、寝てない訳だしさ」


「また手入れ?アレだけ綺麗に使ってるのによくするよね」


「少しでもサボったら俺はいつも通り戦えなくなる気がしてつい、な」


「ほどほどにしてよね。万が一お兄ちゃんが倒れたらめんどくさい書類とか私が片付けなきゃならないんだから」


普通の高校生がする会話じゃないなと思いながらお茶を啜り、ふと思い出す


「そうだ、今日は俺ら2人は仕事休みだ。せっかくの入学式の日まで仕事する必要はないという上官様からのお達しだ」


「やったー!大佐ったら気が利く〜♪」


「さて、そろそろ行くぞー」


「はーい」


そう言って僕ら2人は一旦部屋に戻り、入学式へ行く準備を整え


「「行ってきます」」


僕ら兄妹は家をあとにした


いまさらだが僕の名前は紫ノ宮翔斗しのみやはやとである

聞いてないって?それは大変失礼

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