境界線

オノマトペとぺ

第1話

境界線の一歩向こうにいる彼らと

境界線の手前ギリギリにいる彼ら


一歩と少しの違いが世間では、

天と地、善と悪と同列で


それは不公平なようでしかし真理で

それは公平なはずの悩ましさで


越えるべきにあらずなら

越えることなどできなくすればいい


それでも越えられるなにかなら

越えて裁かれるこの世の真理は


公平を謳う差別で

がんじがらめの平等で


どちら側の彼らも同じだけ

白く、黒く見える自分はきっと


越えられてしまうその境界線を

越えるべからずと知りつつ越えるだろう


不公平な公平さで成り立つこの世は

公平さを見せかけるのに長けたものが

不公平にも望みを叶えるだろう


同じ場所に佇む自分たちは

公平に這いつくばるだろう


越えられてしまうこの境界線を

越えるべからずと決めたどこかの誰かは


きっと公平さを見せかける

誰よりも不公平な人物で


不公平な公平を生きる

公平に不公平な世の中は


きっと疑わず、考えず、

一歩と少ししか違わぬ彼らを

天と地、善と悪と同列にするだろう

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