本当の2

バスケ




彼女は説明しながら足元の箱を開いた。

 箱の中には情報形状出力機アウトプット・デバイス脳内電話ブレフォン脳への接続機構ブレイン・マシン・インターフェースのみが一体化した魔術師が魔術を使うためだけの機械「情報形状入力機インプット・デバイス」が並んでいた。

 まだ魔術師としての資格を持たない真也たちは普段「情報形状出力機」を使用している。アウトプット・デバイスは、それ単体での魔術の発動はできず、ブレフォンと連携することで初めてその能力を発揮するものだ。

 それに対して情報形状入力機はそれ自体がブレイン・マシン・インターフェイスであり、魔術を使うためだけの機能が数多く搭載されている。これを普段から高校生魔術師が使用しないのは、一部の例外を除いて満十八歳未満のインプット・デバイス、通称IDの使用を日本皇国の法律が認めていないからだ。

 そして、その例外の一つが高校の魔導科での授業、部活動(付高では学科)だった。

「では、一人に一つづつインプット・デバイスを配ります。このIDのカートリッジには、現在、【重力制御グラビティ・ハンドル】のみが格納されています。二人一組になってバスケットボールを浮遊させ、落とす作業を行ってください。

 念のために言っておきますが、これはあくまで魔術発動のプロセス確認です。はちゃけるのは良いですが目的を忘れないでくださいね!

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