第8話『1922』
このタイトルを見て、ある作品を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。
――そう、ホラーの巨匠スティーヴン・キングである。
ご心配めされるな。
その思い浮かべた作品は、間違っていない。
という訳で、今回感想を書き殴るのはこの『1922』である。
実はこの作品、つい最近我らがNETFLIXのオリジナルコンテンツとして映像化しているのだ。
素晴らしい。
キング作品の中でも個人的にベスト3に入るほど好きなだけに、期待に胸躍らせて観てみた。
もちろん、◎である。
ストーリーはといえば、1922年のアメリカのとある農場を舞台に、妻を息子と一緒に殺した男が辿る、陰鬱なその後である。
キングお得意の田舎殺人。
原作において、主人公の精神が徐々にイカレていく様が丁寧に描かれていたが、映像化していてもそれは健在。むしろ丁寧に描くことで、一部動物が本当に嫌らしく感じられた。
殺人をしてしまったが故に、主人公を追い詰めるように降りかかってくる不幸。それらを作品を通してねっとりと表現しており、話の展開は遅いはずなのに時間を忘れて見入ってしまう。
はっきり言って、ホラーの要素は全く無い。だが、見終わった後にこれは紛れもなくホラー作品だと言えるだけの恐怖が確実に存在している。
キング初心者の人が観ても「ああ、こういう話を作る人なんだ」とわかるほど、雰囲気も原作に近い。
驚くべきことに、私が観た限り、不満点は無い。むしろあの長い――おっと口が滑った。あの独特の文体をここまで映像化できたなと称賛を送りたいほどだ。
『1922』
原作が好きな人も、まだ読んだことの無い人も。
是非お勧めしたい映画である。
ちなみにNETFLIX限定作品なので、レンタルはされません。
あしからず……。
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