第9話『コンジアム』

今回は韓国映画から『コンジアム』を紹介したいと思う。

このコンジアムだが、韓国で公開されたと同時に爆発的な人気をたたき出し、韓国ホラー映画の中では歴代2位の売上なんだとか。


題名であるコンジアム。ホラースポットが好きな人ならピンと来るかもしれないが、CNNが選出した世界7大心霊スポットに数えられた実在の廃病院『コンジアム精神病院』を舞台にしている。撮影もここで行われたとか何とか。

余談だが、世界7大心霊スポットには日本の富士樹海も入っているそうな。


さて、このコンジアム、結論から言えばなかなかどうして良かった。

というのも、ホラーとして押さえるべきポイントを全て押さえていたからだ。


冒頭は、コンジアム精神病院から生放送をしようと集まったYouTuberが顔を合わせるところから始まる。その場に集まったのは見事なまでのパリピ。やがて自分が餌食なるとは夢にも思わず、再生数を稼いでお金ガッポガポや! とテンション上げまくっている。まさにテンプレ。早く死なないかなとワクワクした。


しかしそこからは退屈なまでの描写が続く。コンジアム精神病院で撮影を開始するもほとんどがやらせというもの。日本のバラエティー番組の裏側を見ているようだった。形式としてはPOV方式となり、キャラクター達は皆、GoProとかの動画配信者御用達アイテムを持って各々撮影を開始する。


胸くそ悪いやり取りを見せつけられつつ、おおよそ半分くらいが過ぎた頃に、いよいよコンジアム精神病院が牙をむく。恐怖演出は、日本とアメリカを足して二で割ったような演出が多く、新鮮さが常にある。この演出の挟み方が絶妙で、BGMもない環境音のみが余計に恐怖を際立たせてくるのだ。


この手のホラーにありがちなのが、音で驚かす手法だが、コンジアムに限ってはそれも無かったのが良いポイント。アイデアで勝負してくる点は素直に評価したい。

キャラクター達が扱う道具も、最新の撮影機器やドローンなど、今風になっているのも良い。調子に乗ったキャラクターが次々脱落していくのも、それはそれで気持ちがいい。


似た作品で『グレイヴ・エンカウターズ』という作品があるが、あちらは登場人物がみんな真面目だったため、良い差別化になっていたと思う。


総評としては、ホラー映画として安定した作品だったと言える。これだけの物が作れるのは、韓国だからだろう。

余談だが、韓国作品は吹き替えで見ると口の動きと台詞が全く合っていなくて違和感が凄まじいのがいつも気になる。言語の違いだから仕方ないんだけどね。


Netflixで配信しているから、気になった人は見てくれ。オススメのホラー映画だ。

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