死んじゃいました

上山基也

第1話

私、篠谷しのや史佳ふみか。高校2年生で、彼氏持ち。だけど、昨日学校帰りに死んじゃいました。




昼休み。私は親友で幼馴染みの千華ちかとお昼の約束をしていたけれど彼氏の弥刀みとう君ともお昼を一緒にする事になった。

「アンタ達ねぇ。ホントよくそんなにイチャイチャ出来るわ」

「え〜。そうかな?好きな人と一緒に居たいなんて普通だと思うんだけど?ね?」

「そりゃそうだろ?いくら好きな人が居ないからって俺達に当たらないでくれるか?」

「はいはい」

私達は、学校公認って言ってもいいほどのカップルらしく、2人で学校のパンフレットにも載ったこともある。付き合ってまだ1年経ってないのに。

「それはそうと、史佳。今度の日曜日暇?」

「ごめーん。今度の日曜日も弥刀君とね」

「ホンットアンタ達飽きないわね〜。ここらを網羅したってのに。それで?今度はどこ行くの?」

「ゲーセンかな?私達の記録を上書きしたって人がいるから、また埋めに行くつもり」

「アンタ達ねぇ……」

だって、悔しいんだもん。私と弥刀君が1時間かけて上位記録を私達で埋めたのに。

「ま。そういうこった。今週も史佳を借りてくぞ」

「勝手にすれば〜。でも、来週こそ私が史佳と遊んでやるんだから」

弥刀君と千華の間に何か電気っぽいのが見える。千華も弥刀君も普段は仲がいいはずなのに。

「あははは……お手柔らかに」

そんなこんなで昼休みが終わり、午後の授業も終わって、私は弥刀君と駅まで一緒に帰っていた。

「じゃあ、また明日な」

「うん。また明日」

弥刀君と駅までしか一緒に下校出来ないのは残念だけど、もう数年すると、私達も結婚は出来る年になる。それまで我慢しないとね。

弥刀君と別れ、家からの最寄り駅で降りると、家までとても長い坂になっている。普段、その坂は車もほとんど通っていなかったのに、その日だけは車通りが激しかった。けれど、私は気にせず家に帰った。

だけど、家の近くで、私は車線を越えた車に轢かれた。

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