3h:家庭科

 Yちゃんとは 仲良く出来るけど、他の方とは 上手くいかない。


 どうしてなんだろうなぁ~


 Yちゃんとですら 『いつ嫌われるかもしれない』という気持ちは

わりと いつの時も、つきまとっていたには 違いなかった。

「友達は 沢山いる方が良い」という、そういう気持ちが 強かった。

 でも 上手くやれないモノ 仕方ない…と、せめて Yちゃんとは

ずっと 仲良くいれます様に…と、願いながらも。。。


 理由は わかっています。


 【家族】 <【 友達・知り合い】 < 【彼氏】


 私の 人との関わりについての、割合です。

男性と一緒にいれる方が 気持ちの面では楽だから。家族と居るよりも。

 なので 友達と約束していても、家の用事があっても、平気で 

嘘をついてでも、彼氏の方を 優先していました。

 その後ろめたさがあったからです。



 そんな私でも。


 お蔭様で 何とか、結婚するという事が 叶って、仕事を辞めました。

仕事を辞めてから『あぁ 私って、女性が苦手だったのかも…』と

気付いたりしました。

 もう 一応、一生を共にしてくれる人が 見つかったわけなので

そこまで 気負う事もなくなりました。


 結婚して 地元を離れて暮らす事になりました。実家へ 帰ろうと思えば

帰れない距離でもなかったけれども、あまり 実家では、良い思いはして

これなかったので、里帰りとかいうのも しなくても良いんじゃないかと

思う位、帰りたい気持ちなど ほとんど無く、自分達だけの 生活を

好き勝手に、楽しんでいました。


 社宅の様な所に 住んだから、隣も 旦那様と同じ職場の方です。

そちらにも 奥様が居られて、お子さんも 1人。


 ン… 私、子供も好きじゃないです。


 独身の頃から 子供も 苦手ジャンル。邪魔としか思えない。

の、わりに 何故か、子供には 好かれる。わけわかんない。


 社宅といっても 他2軒だけだったので、主に お隣さんと仲良くなり。

そこの子も 私に懐いて、そこそこ 上手くやっていけてる感じでした。


 でも

半年で その社宅を、引っ越す事になりました。

そりゃっ 毎日会っていたから、情もう移り 離れがたくなって

とても悲しくなりました。

 次の 転居先でも、お隣さんと仲良くさせてもらっていたのに…

そこも、半年で転居。


 そうです。旦那様は 転勤族なんです。


 その転居の度に 悲しい思いをするのなら、もう友達は要らない。

近所付き合いも 最低限にしようと思いました。


 次の引っ越しをして、わりと すぐ辺りに、懐妊が判明しました。

人生2度目くらいの ショックの日です。


 子供嫌いなんだもん… 旦那様も あんまり、子供に興味がない感じ

だったし、ひょっとしたら 子供無しでもイイんじゃないかと思って

いた程だったんです。

 子供が出来てしまったら それ以降 一生、その子の 人生を背負う事になる。

しかも 自分の時間が取られてしまうんですよ?最悪ぅ~


 知らない土地での 妊婦生活、実家は 遠いし、不安だらけ。

おまけに 8か月だったと思うけど、検診受診したら 早産の気配があると 

緊急入院。いきなりベッドから 殆ど降りれない生活なりました。

 旦那様は 仕事が忙しく、中々 来てもらえない。着の身着のまま

入院になり、身の周りの物すら 無い状態で、どうしようも無く

実家から 母に来てもらう事になりました。


 そんなで どうにか、産み月まで 入院生活ではあったものの

無事に 出産。


 母となりました。


 母となっても 名前だけ 母なだけで、ちっとも 母の認識が

芽生えない。依然として 子供は嫌い。というか 怖い。


 ずっと 恐々、子育てしていました。

一応は 看護婦でしたので、専門ではなくても 基礎知識として

小児科も習ったから 最低限の事は出来ます。出来てたと思います。

 それにしても 子育ては、本 通りにいかないです。わからない事

だらけ。しかも その対応如何で、その子の 人生に影響を及ぼす事に

なるんですよ?


 「自分の子は かわいい」


 まさか!

私は 全くもって、かわいいと思えなかったです。

産んでしまった 責任感と、使命感・義務で 世話をしていただけで

ずさんな扱いをした 覚えは無いけど、だからといって やたら

可愛がるとかいうのも ほぼした事ないです。


 それでも 子供は、母を求めますよね。無意識に…


 生まれて まだ、1ヶ月も経たなかった頃の事。

ずっと 添い寝して寝ていました。寝かしつける時や おっぱいを

上げる時も、子供の手を 握って、出来るだけ 安心感を与えていた方が

良いだろうと、そうしていました。

 でも… フッと嫌になる時があって、離れてみる時もあって。

その時 子供が、手を伸ばして 何かを探っているんです。

 きっと 私のどこかに触れようと、探しているんです。

生まれて数十日の、目も見えない子がですよ?こわい… 

 この時 私は

『あぁ もう私は、この子から 逃れられないんだ』

と サメザメしました。


 そんな調子で 子育て続けていて、母が そんなで離れたがっているのが

恐らく 伝わるんでしょうね。子供は ちっとも離れてくれない、いつも

抱っこしていないと イケナイ子になりました。


 出産してから また、1年も経たないうちに 転居。

子供が出来てからの 引っ越しは、それはそれは 大変です。

 それでも その転居先は、旦那様の 実家の近くで、何かにつけ

孫の顔を見せるという 名目で、実家へ行き。子供と 離れられる時間を

見付けれたから、少し良かったのかもしれないです。


 それから また1年後。

またまた 引っ越しです。旦那様の実家からも 自分の実家からも

離れた所で、殆ど 土地勘の無い所。知り合いも居ない。

 相変わらず 私から離れてくれない子供。慣れない生活。

頼りにしたいはずの 旦那様は、朝早くに出かけ 夜遅くにしか

帰ってこない。ずっと 子供とだけの、生活。

 頭が おかしくなり、何度 その当時の、社宅のマンションから 

子供を落とそうかと思った事か。子供だけじゃなく 自分もシななければ

ならないから、どうやったら 確実にイけるか、そればっかり考えました。


 そういう事を 相談する人もいないので、完全に オカシクなる前に…と

児童相談所へ 相談に行きました。その時も 子供は、べったりで。

私が 人と話すと、それを遮ってしまうから。

 寝静まった時に 不安に思っている事を、レポート用紙10枚以上 書き

連ねて、提出して。相談室で 子供をなだめながらで、ほぼ会話出来ない

状態な感じ。


 就業している訳では無いので、保育園は無理だけど。その地域では

サークル活動が 盛んだから、そこへと紹介されたけど。サークルへ行って

みても、子供は 同じ場所で、ジっとしていてくれなくて、すぐに外へ

出てしまうので、ついて行かざる負えなく、出席を取る時だけ居て 

後は、2人だけ 外みたいな感じで、ちっとも 楽にもならないし。

かえって 人に気をつかうから、余計に ストレスになった。

 児童相談所から 再び連絡あって、保育園へ入る前段階に入る事が

出来る育児クラブを 紹介してもらい、そこへ 週1回、午前中だけ

預かってもらえる事になりました。


 そうなったら なったで、今度は 自分が楽になりたいばっかりに

子供を そんな所に預けて、怠けていると 自分を責める様になりました。


 そういうのを 続けていて、時折 嫁ぎ先へは、孫の顔を見せに

行ったりしていた。嫁ぎ先では 辛い事は言えないし、出してはイケナイと 

気をつけていたつもりだったんだけど。何かの時に 不意に、言葉に

出てしまっていたんでしょうね。


 お義母さんが

「何で そんなに怖いの?」

と 声をかけて下さいました。

私は ハッっとして、そんな事 言ってたのか?と 自分に嫌気がさしましたが

正直に。

『自分が 子育てしていると、私みたいになってしまうんじゃないかと思って』

と言いました。

「何で?〇〇私の名前さんみたいになっては ダメなの?」

『私みたいになったら…』

と 言葉を詰まらせていると


「いいじゃない」

と 穏やかに、仰って下さったんです。


!!!


 その一言で 何と、申し訳ない事を!

と 猛烈に 反省したんです。


 そんなに 良い子供として、育ってきて無いです。

行いも良いとは言えません。学校の成績だって…

 だけど こんなに良い家へ、嫁いでこれて こんなに良くしてくれる

お母さん達の元へ やってこれた。


 自分が こんなだと言う事を、よく良く知らないまま

嫁として 家に迎え入れて下さった、お父さん達に対して

『この嫁は とんでもないんです』

『ダメなヤツなんです』と、嘆いて

折角 認めて下さったのに、その方を 目の前に、否定している事に

なると思ったんです。

『なんて事をー』


 実家に居る時の事を 思えば、それ程 不自由では無いし

好き勝手にさせてもらえてる。これは 自分が成し得た事としては

とても素晴らしい事だ。

 そう思うと 私の今までの人生、そんなに 悪く無いと思えて。

なら、子供も 私みたいになっても良いのかもしれない と

思える様になったんです。


 例え 私みたいになって、躓く時があっても。自分の経験から

どう対処していけば良いかを、子供に伝えればイイんだ!と思って。


 物凄く 救われた、一言だったです。



 だから 私も

子供も そうだし、人に対して まずは 「認める」という事から 

やっていこうと思う様になりました。


 


 

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