第4話 いただきます、ごちそうさま



 いただきます。

 ごちそうさま。


 ご飯を食べる時にはいただきますを言うのが普通ですよね。

 そして食べ終わったあとには、ごちそうさま、と。


 命の恵みに感謝して、たくさんの助けがあって自分が生きられているという事を確認する大事な言葉だと思ます。

 思うだけでもいいですけど、手を合わせる。言葉に出して。動作として一つ行うことでより深く意識できるのではないかと思います。


 人間以外の動物たちは弱肉強食の世界にいて、めまぐるしい生の循環に時として何とも言えない気持ちになることはありますがだからこそ、自分がこうして食卓について誰かとゆっくり食事を楽しむことができるというその時間は、きっと大切なんだろうと思います。


 でも、私は給食の時以外言ってませんでした。

 そういうの、好きじゃない人の近くにいたっていう事もあるんですけど、食べ物に関して特別な事を何か考えてた事がなかったからだと思います。

 子供の時はお菓子〈たべもの〉でどうして遊んではいけないのか理解できなかった事もありますし。


 だから私のいただきます、ごちそうさまの始まりは、食べ物を作ってくれる人へ、運んできてくれる人への感謝ですかね。

 お金を払っているから、そうされるのは当然、と思えばそれまでですが私はそうは思えませんでした。

 料理を作る苦労はなぜか知ってて、海から山から畑からとって、トラックで船で飛行機で運んで、処理や下ごしらえをして、と色々な手間をかけて出てくる料理。

自分たちの口に入るものにはたくさんの人の手が加えられているのだと思うと、感謝したいなと思えてきました。

 成長して今では食べ物で遊んでいけない、が分かるようになってきて、その意味でも感謝の言葉を表したいと思ってますが。



 いただきます、ごちそうさまは命の恵み、そしてたくさんの人たちの力に感謝するそのための、大切な言葉だと思っています。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ありがとう、ごめんなさい 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ