第69話 保持者たちのオフ会(一)

 俺と栞がかかわった初期バージョンをVer.1と名付けられ、真似して作られ薬局に出回ったIIMを第二期Ver.2、谷崎製薬が一般発売したIIM2は、竹宮女医の実験で第二期同型と確認でき第三期Ver.3とした。

 その第二期Ver.2にかかわったと思われる保持者が、今日柳都駅前に十二人ほど集まって道場へやってきた。

 ゴールデンウィークに掲示板に書き込んだ、希教道の駆け込み寺からのメッセージ、


『道場に来て能力判定してみませんか?』


 を出したことへの返答で、保持者たちのオフ会ある。






 六月の第一日曜日。

 道場主がレンタルした送迎バスから降りた保持者たちを希教道内へ導いた。

 俺と麻衣を含めた希教道の学生幹部が、小豆色の作務衣を着て出迎える。

 道場に入ってきた人数を数えると十三人いた。

 よく見ると集まった保持者の中に有田純子が、なぜかグループに加わっていたので、俺が突込みを入れてやる。


「お前、何でそっちなんや」

「だって、発売されたIIM2サプリメント飲んだんだよ。……駄目?」

「駄目だし。もう幹部でしょ」


 俺の指示で麻衣が新規のグループから純子を引っ張り出す。


「私、肩身が狭いのよね」

「私も同じだよ」

「浅間さんだってレベル持ちじゃないですか」


 うなだれながら幹部グループに戻ってきた。


「狭い思いなど、私がさせません」


 近くに来た要の一言で明るくなった純子は、要の手を取って握手する。


「うん、うん、さすが要、友人の鏡」


 純子を取り出して、これで十二人と言うと、彩水が十三人でしょ? と返してきた。


「えっ、また一人多い?」

「純子が戻ったの?」

「私ここにいるわよ」 


 幹部同士で小声で言い合っていると、浅丘結菜が十三人だったよ、と両手で一と三の指を立てて可愛さもアピールする。

 結菜は小学六年になってから、一人で道場によく来るようになり、彩水について回っていた。

 今村からも十三人だぞと声が上がり、俺の疑問は却下された。

 自分でもう一度数えるが十二人で、変わりない。


「目が腐ったんじゃない」


 彩水が隣に来て小声で言うが、混乱して言葉が返せないところへ、栞から零感応エアコネクトの念話が入ってくる。

 イメージした暗証番号で、俺も栞もお互いに自己遮断メデューサをスムーズに行き来できるようになっていた。

 ポニーテールの要は偽者イミテーションで、リハビリセンターから栞が送り込み、俺の自己遮断メデューサを通しているから視えている。


『忍君は十二人に見えるんですか? イメージの自己遮断メデューサができていて、忍君だけ見れてないってことでしょうか』

 ――ああ、そうだと思うけど、もしかして栞が要の他にも偽者イミテーションを現しているとか?

『してないですよ。今、遠隔視オブザーバーで視てますが、忍君も誰が多いか確認取れますか?』

 ――今、彩水目線で調べている……。


 彩水目線の遠隔視オブザーバーと俺目線を交互にいるいないを見定めていると、ミディアムヘアーでワンピースにTシャツ姿の女性が浮かび上がった。


 ――ああ、見つけた。右端にいるお嬢様風の女性だ。これは第三者の偽者イミテーションでいいのかな?

『そうですね。新参でランクSの方がいるってことでしょう』

 ――凄いのが来たな。そうなると今日ここへ来ている保持者の誰かが、俺たちを試しているってこと?

『たぶんですけど……遠隔視オブザーバーで、私も確認しましたが、城野内緋奈ひなさんって方ですよ。希教道のネット掲示板に、自己紹介として写真を上げていたままの装いですけどね。私も幹部の写真として巫女装束でサイトに載ってますが、服装ぐらい着替えさせればいいのに』


 何人か先に立っている要が、俺を見て笑いをこらえている。

 遠隔視オブザーバーを使ってのイメージは、要の偽者イミテーションにそのまま表情や行動が現れていた。


 ――それだと、服装とか複数のイメージを扱えない、まだ能力に慣れてないってことかな?

『そうだと思います。……えっと、それとですね。もう一人変わった人がいます』

 ――仕事速いな。それで誰?

『一番後ろにいる銀縁メガネかけたTシャツの男性。シャツの内側に小型のカメラが仕込んでますよ。遠隔視オブザーバーの本人目線で気づきました』

 ――確認した。カメラって隠し撮りか? いろいろ怪しい。

『私は偽者イミテーションの城野内さんを注意してますから、忍君は男性の方を監視してください』


 俺は奥に立つ要を見てうなずくと、微笑み返しをしてきた。

 城野内は俺には見えないので、彩水目線で彼女の監視強化する。

 偽者イミテーションを現し動かしているのは、道場に来た十二人の中の誰か?






 道場には新しい保持者たちを迎えるため、あらかじめ長テーブルと椅子を人数分設置してあり、入ってきた順に座っていく。

 やはり中学、高校生の男女ばかりで、もういくつかグループができて話声が道場に響いた。


 「木造とか、しけてるな」


 とか、イラっとくる発言も耳に入る。

 俺たち幹部は長テーブルの脇に並ぶ形で立ち、道場主と女医が座っている保持者たちの前で希教道の趣旨を話だす。

 能力情報の共有、能力は一般の人にむやみに使わない。

 道場内では、相手の了解ののち使用する。

 能力向上を求める者は、月に一回脳波検査を受ける。

 能力での悩みがあれば、診察やケアーをおこなう。

 道場に興味があれば手伝ってもらう。

 などであるが、俺が入ったときに聞いた内容とさほど変わらなかった。

 遠隔視オブザーバーなどを使っている俺と栞には痛い項目もあるが、まだ外部の保持者たちなので保安を優先させる。

 二人の話が終わると幹部の自己紹介が始まったが、阿賀彩水の教祖発言に保持者たちから若干戸惑いが上がった。


「あのツインテール? マジか」

「ちっちぇーな、あれで高一だって?」

「中学生かと思った」


 ダンボ耳の彩水は、すこぶる機嫌が悪くなり、両隣に対峙している佐々岡直人は平常心だが、今村陽太が声がした方をにらみつけている。

 次に保持者一人ひとりの自己紹介を始めるが、その中の問題の人物が異彩を放っていた。


「私は、京都が実家の城野内緋奈、高校二年です。よろしく」


 ほとんどが、東京か地元出身だったので、京都の発言で周りの保持者たちが驚く。


「差し入れです。全員の数はありますので、食べてください」


 彼女の手にした箱はどら焼きの詰め合わせで、長テーブルに置かれた。

 彩水目線から、俺目線へ集中したら城野内の代わりを後ろの少年が箱を置いてくところを見る。

 少年の名前は先ほどの紹介で、東京組中三男子の西浦だ。

 ほう、彼が城野内緋奈イミテーションを動かしているのか。

 芸が細かいと感心していたところで、どら焼きの箱が俺に回ってきたが、いくつか入っている中を見て苦く痛いものを連想してしまう。

 入院していたとき、麻衣が選んで持ってきた有名な店の物と同じ品で、その場では手が出なかった。

 麻衣が俺の横に来て、肩に手を置いて小声で言った。


「もしかして、病院のこと思い出しているでしょ?」

「おまえ、異能者だったんだな。俺の心を読むなんて」

「できるわけないでしょ。どら焼き見て固まってる忍なら、すぐ気づくわよ」

「そうか、ははっ。まあ、ちょっと心に残ってたからな」

「止めて、恥ずかしいから。それ思い出すの禁止よ」

「もう済んだことだから、目くじら立てることないだろ」


 俺の顔を覗き込んで、「禁止、禁止」と小さい声で繰り返す麻衣だった。


「何で食べないん?」


 直人を挟み隣のかんなぎ様が、どら焼きを両手に持ち交互にパクついていて見苦しい。


「俺はいい……」

「そうなん? じゃあ、もらっていい?」

「お前な、直人の分だけじゃ足りないのか?」


 直人が自分の名前を聞いて、俺に顔を向けて微笑むのは相変わらずだ。

 ちなみに今日来た保持者たちの中に、知った人物が混じっていて驚く。

 そのロング丈パーカーに、デニムパンツのポニーテール子も俺と麻衣に気づいて話しかけてきた。


「先輩たちが居るなんて、ボクびっくりです。えっと、こんにちは」


 ボクっ子きたー、じゃなくて、占いのときに見たんだけど、この背が低い子の名前なんだったっけ?


「こんちは、向葵里ひまり……ちゃん? だったかな」

「はい。覚えてくれていて、ボク感激です」

「じゃあ、保持者としてきたのね?」


 麻衣も隠してしまったポシェットの友達だと気づいて話に入った。


「はい。最近変な映像が見えて悩んでいたんですよ。そこに同じ悩んでいる人たちがいるって知って来ましたが、先輩もそうだったんですね。知り合いがいて、ボク嬉しいです」

「向葵里ちゃんは、えっと、いつ頃から見えるようになったの?」

「今年に入ってからで、スキー旅行に行って怪我したんですが、たぶんそのあとからです」

「なるほど」

「へーっ」


 要と純子たちが手を叩いて会話を打ち切りさせ、保持者たちを二組にグループ分けを始める。

 新規保持者から能力を引き出しとランク付けをするため、ふたつの能力判定グループに俺たちも分かれた。

 俺が参加したのは竹宮女医と彩水のグループで、今村陽太が背後霊のようについてくる。

 ちなみに要は、道場主のグループで、佐々岡直人、浅丘結菜、有田純子、浅間麻衣になった。

 





 参考までに、各ランクは下記のとおりになる。

 異能力数値ランク付けは上からS・A・B・C、数字も1・2と上下がある。


 阿賀彩水 (十五歳) ランクAー1 +(Sー2) 

 佐々岡直人(十六歳) ランクAー2

 今村陽太 (十七歳) ランクBー1

 有田純子 (十六歳) ランクなし

 浅丘結菜 (十二歳) ランクAー2

 浅間麻衣 (十七歳) ランクC


  Cランク(霊感がある) 何かを感じる、何かを見る 

  Bランク(能力保持者) 残留思念抽出--エピソード記憶、短期記憶 失敗が多い

  Aランク(上級能力保持者) 残留思念抽出--視覚、聴覚、嗅覚記憶全てを網羅

  + そのランク上位への能力取得中  


 谷崎知美 (十九歳) ランクAー1 +(Sー2)

 広瀬忍  (十七歳) ランクSー1 +(2Sー2)

 白咲要  (十六歳)  ランクSー1

 谷崎栞  (十六歳) ランク3Sトリプルエス


  S ランク(零の翔者) まやかし(小道具)、遠隔視、零感応、まやかし(偽者) 

  2Sダブルエスランク(零の翔者) 自己遮断、大規模幻想、集団幻覚

  3Sトリプルエスランク(零の翔者) 時空移、二重心






 俺たちに振り分けられた保持者は、高校二年の後輩女子永森向葵里に、陽上高校一年女子の今泉。

 東京から高校二年の美濃正、影が薄いメガネ男だが小型カメラを所持していて監視対象者。

 同じく東京組の中三男子、西浦、芝、宮本。

 この六人だが、怪しい西浦を栞と相談して、城野内緋奈イミテーションから離してみる行動を取った。

 直接、俺には城野内緋奈は見えないので栞に任せる。

 分かれたグループを女医と彩水の二人がランクを確認する係りになり、俺はサポートについた。

 彩水と最初に対峙するのは、ボクっ子の永森向葵里が物怖じせずに長テーブルを挟んで座る。


「同じ竜芽学園だって?」

「はい。先輩に占いもしてもらいましたし」 

「学園祭の? へーっ。じゃあ、今度は逆に見てみない?」


 ツインテールの彩水が突然振り返って俺に振ってきた。


「ええっ? お前がやるんじゃないんかい」

「知り合いなら、任せるってことよ」

「ああっ、そうか」


 仕方なく椅子を引き寄せて、彩水の隣に座る。


「それじゃ、交代します」


 俺と対峙した向葵里が思い出すかのように聞いてきた。


「……あっ。もしかして、学園祭の占いって?」

「えーっと、何のことかな? はははっ」

「あの占いなら、しらばっくれても保持者ならバレバレだろ?」


 俺の無関心ポーズに彩水が突っ込む。

 小型版脳波測定器のヘッドデバイスを彼女の頭に取り付けてもらい、脳波検査を兼ねて残留思念抽出サルベージをおこなう。


「いいんですか? 見ちゃいますよ」

「はい、どうぞ」


 永森向葵里がおもむろに俺に触れるが、やりやすいように都合の良い記憶を頭に浮かべておく。


「何か見える?」

「あっ、はい、額の上に映像が並んで……こんなはっきりと浮かんでくるなんて……えっと、コンビ二で買ったサンドイッチをこの道場の空間を見ながら食べてます。缶コーヒーも飲みながら座ってます」

「今日の朝の俺の食事だ」

「一人で食事なんて寂しいね」

「お前に言われたくない」

「あの……これがボクの精一杯のものです」


 俺はノートパソコンの脳波検査ソフトを見て異常のないことを確認してから言った。


「他の能力はないかい? たとえば、精神感応とか、幻覚とか、遠隔視とか」

「そんなことできませんよ、もう超能力者じゃないですか。それで私の希教道ランクはどうですか?」

「そうね、これはランクBー2かしら」


 鼻と口の間にシャーペンを挟んで頭をかく、残念な格好のかんなぎ教祖様が答えた。


「集中しても目を開けて観察できていたから、Bー1が妥当じゃん」


 俺がランク上げを主張すると、斜め後ろに立っていた今村陽太が口を出してくる。


「おい、さっきから彩水様に失礼過ぎるぞ」


 竹宮女医のサボートなのに、こちらに意見してきた。

 一時は従順だったが道場の雰囲気になれたのか、俺や直人には横柄な態度でうるさくなってきている。


「いいのよ陽太。そう、Bー1ね」


 彩水も了承したのでプリントした名前覧にランクを記入し、続けて要と同じ陽上高校後輩になる今泉も俺が受け持って、すぐBー1と判定した。






 騒がしい東京組の中三男子たちは、竹宮女医と今村陽太が担当しているので、次の美濃を調べようとしたら彩水が変わって調べると言い出した。

 まったく彩水は気分屋でしかたない。

 俺が逆フラメモで見てみたかったんだが、問題も起こしてないし、また機会はあるだろうと彼女に任せた。

 美濃はカメラのことなどおくびにも出さず、彩水から残留思念抽出サルベージをして淡々と見たものを話した。

 彩水の判定はAー2と保持者の中で高ランクを出した。

 その判定を下した彩水が落ち着きがなくなってて、新参者の高ランクに少々焦っているようだ。

 竹宮女医目線で、城野内を操っていそうな問題の西浦を観察するが、ボロは出さず、竹宮女医の残留思念抽出サルベージを話した。

 だが、西浦も他の保持者と同じ映像表現発言で、何もおかしな行動は見られずBー1を受ける。

 俺自身、西浦への遠隔視オブザーバーを試みて何もなかったが、残留思念抽出サルベージは自己申告なので誤魔化している可能性も考慮に入れ観察は続けた。

 そのあとは全員交えてのランク報告の懇談会になり、新しい保持者にAー2の美濃正が一人、あとはレベルが下がっていく順位だった。

 城野内緋奈のランクはBー2で、要からその話を振ると、栞から念話が入る。


『えっと、彼女の残留思念抽出サルベージは、叔父が担当しましたが、問題はなかったそうです』

 ――お土産持込の子も無難にクリアしているようだな。

『それは失礼な覚え方ですよ』

 ――お土産ちゃんっていうと怒りそうかな。

『本人が聞けば怒りますよ』

 ――栞と同じで、お土産っ子自ら別の場所で城野内緋奈イミテーションを飛ばしているのも有りだよな。

『その可能性も考慮にしてますが、ただ、要を通して少し会話したら落ち着かないようになりましたから、要の偽者イミテーションに違和感を持たれたようです』

 ――まやかしイミテーションがばれた? でも誰かの目線で見ているなら見破られることはないと思うけど。

『うん、そうですね。まあ、向こうは様子見してる状況だから、本人の申告がなければ、しばらくこちらも様子見しましょうか』

 ――そうだな……しかしランクS以上か。


 谷崎知美みたいに、栞と衝突しないといいが……。


『そちらの美濃さんはどうでした?』

 ――西浦も含めていたって普通。分けると何かしらボロを出すと思ったんだが、城野内イミテーションは西浦ではないのかな。

『まだわからないですけど』


 メンバー全員保持者なので、触れるという意味に敏感だろうと、昼食のランチで使われた食器を戻してから、残留思念抽出サルベージで誰かを知る手はずになる。






 美濃のカメラも気になるところだけど、栞との念話に気を取られていたら、問題の城野内から、能力を見せてくださいと要望が上がっていた。


「教祖の阿賀彩水さんから、能力をぜひ披露してくださいませんか」

「おっ、いいね」

「俺も見てー」


 西浦や他の東京組が、ここぞと追随する。

 彩水を見ると、腰に手を当てて胸を張ってみんなの前に出てきた。

 目立ちやがり参上の図だな、いや、ここで出なければ逆に良くないか。

 佐々岡直人が後ろから駆け寄り、巫女の千早を作務衣の上に着せ、そのまま後ろへ下がりひざを折って待機する。

 彩水は直人に大仰にうなずくと、いつかのやり方を披露した。

 笑みながら、両腕を二度叩いて周りを凝視。

 目の前の空間に、青白い炎が燃え出し1メートルほどの直径の火の玉に大きく変わっていく。

 保持者たちは驚き、暑いと言って何歩か下がる。


「バーニング」


 彩水の掛け声とともに大きくなった火の玉は、指を差した方向へ道場の端まで飛んで壁にぶつかると四散してすぐ霧散した。


「おおおーっ」

「凄い」

「無詠唱魔法かよ」


 半数以上が驚きに目を丸くして棒立ちになっていた。

 そこへ今村が大仰に手を叩くと、回りも釣られて拍手をしだす。

 前よりまやかしイミテーションの腕を上げててびっくり、これはランクSに格上げか?

 浅丘結菜が、彩水、直人の後ろへ回って同じ動作を繰り返し、バーニングと声を出してはしゃいでいる。

 彩水の信奉者になって欲しくないぞ、結菜ちゃん。

 しかし、たいして驚かない城野内が彩水に質問した。


「他はないのですか? 人とか作れるのに隠しているとか」

「ん、人? 他はまだ実験中」


 彩水が、苦虫を噛み潰した顔で言った。

 それを聞いて西浦を含む厨房三人組が落胆の声を漏らす。


「ちっ、これっぽっちかよ」

「たるっ」

「がっかりーっ」


 道場内に沈黙が流れて、彩水教祖のイメージが台無しに……。


「えっと、城野内さんは、他に何か能力を見ているのですか?」


 要が彩水と城野内の間に入ってきて質問した。


「いえ、もっと何か見れると期待してしまっての発言です。気を悪くしたら謝罪しますわよ」


 しれっと、何もなかったような優等生発言をした。

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