第2話・3年後期

夏休みが明けてびっくりした。死んだわ、あいつ。交通事故だって。授業中も机の下でこそこそゲームやってた奴でしょ?いい気味だわ。どーせ歩きながらゲームでもやってたんでしょ?ポケモンGOとか?あいつらの周り、すぐ流行りに飛びつくもんね。その割には飽きるのも時間かかるよね。お前らいつまでツムツムやってんだっつーの。あーあと、知ってるよね?あいつ、こないだの期末テストもインチキしてたんだよ。仲間内でさ、答え回し合って、それでね、成績稼いでたの。ホント、むかつく奴だったわ。死ねばいいのにってずっと思ってたから、願ったり叶ったりだわ。でもなに?このクラスの空気。仲間が死んだ?はぁ?勉強でインチキやってたクズが一人消えただけじゃん。なんでみんなさめざめしく涙流してんの?はぁ?嘘泣きでしょ?あんたこないだ、あいつの事むかつくとか言ってたじゃん。テストのズルも、みんな知ってて、見て見ぬふりしてさ、内心面白くなかったでしょ?それなのにさ、なんで今、仲間が死んだ~とかいって号泣できんの?マジで意味わかんない。まるで泣かないあたしが変人みたいな空気じゃない。お前らがおかしいんだっつーの。バーカ。担任も担任だわ。私みたいな手のかからない生徒を無視してさ、なんであんたら教師は、ああいうゴミみたいな生徒といっつもつるんでんの?馬鹿なの?ドMなの?あいつら、あんたの仕事増やしてばっかりじゃん。私はさ、先生に迷惑かけないように、授業中も静かでさ、必死に勉強もしてさ、成績だって伸ばしてるよ?なんで先生は、いっつもああいうゴミの世話ばっかりするの?そのくせさ、去年のマラソン大会、走るのが遅い私の事注意したよね。向き不向きがあるのに。私だって、精一杯やってるのに。なんなの?マジでゴミ。全員死ねよ、ほんと。あいつが死んだのは私の呪いって事にしよう。そう考えないとさ、やってらんないもん。あいつがクズだから、天罰が当たったんだよ。ざまーみろ。次はお前らの番だからな。

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