呪詛

ポージィ

第1話・3年前期

人と違うってね、昔から感じていたんですよ、あたしね。みんながね、こう、爆笑すんの。しょうもない話題でさ、クラスの中がどっ!と一丸になるような感じ。ああ云う時さ、あたしね、どういう顔していいかわかんないの。ホントに。なんでなん?よくわかんないよ。あたしがおかしいの?いや、そうじゃないでしょ。おかしいのは皆の方じゃん。だって、あのネタ、ジャニーズのさ、あんまりテレビでない子の真似して、何がおかしいの?そのネタさ、よく知らないのよ、自分。だって、あんまりテレビも見ないんだもん。家に帰ったらね、そう、部屋で本読んだり、スマホいじって過ごしてんの。あとはやっぱ、塾とかも行かなきゃいけないじゃん?みんな何してんの?そんなにテレビ見てんの?自分の事に必死にならないの?なんでそんなヘラヘラできんの?意味わかんないわ。結局あいつらさ、何も考えてないじゃん。進路とかもさ、数学嫌いだからーとかいってさ、文系行くの。それでね、まーた同じメンツが同じように固まって、面白くない事でキャッキャとやってんの。いつまで同じ事やんの?合唱祭の打ち上げ?要らないわよそんなもん。誰も頼んでないし。あたしは違う。あいつらとは違うのよ。将来の事も考えてる。ちゃんと資格も取るつもりだよ。だから今、こうやって勉強してるの。我慢してるの。でも何でよ、なんであいつら、あんなに楽しそうで、私はこんなに苦しいの?同じように楽しめったって、無理よ!あんな風にヘラヘラ馬鹿やるくらいなら、死んだほうがましだわ!死ぬべきなのはあいつらの方よ。そうよ、みんな死ねばいいんだわ。ああやってへらへらしてさ、あたしの事馬鹿にしてるんでしょう?あの子、変わってるよね~とか言ってさ、陰でコソコソ、言ってるよね?ねぇ、あたし知ってるよ?むかつく、本当にむかつくわ。全員ぶっ殺してやりたい。どいつもこいつも馬鹿にして、見下したような目で私の事を見てる。許せないのよ、ああいう奴らは。

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