第3話 夢




 夢を見た。


 短い夢だった。


 そこは小さなプレハブ小屋で、中には子供が三人いた。


 十歳くらいの男の子が一人。そして女の子が二人、どちらも五、六歳くらいだった。


 寒いのか、三人は身を寄せ合うようにしていて。


 そして三人とも、腹を空かせて衰弱していた。


 出入口の扉は外から鍵をかけられ、小屋から出ることはできなかったのだ。


 彼らがいくら泣き叫び、助けを呼んでも、そこから出してはもらえなかった。


 そうして何日かが過ぎ、ようやく救助の手が差し伸べられる。


 ……女の子の一人は、衰弱がひどく、助からなかった。


 ――それは、あの日からずっと冬吾の心中で根を張り続けている、暗い記憶の断片だった。

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