月見重吾のレポート

太田 凜

彼の名前は月見重吾(15)。先月、市立月見台中学に転校してきた生徒だ。ルックス抜群、成績優秀、子供とは思えない思考回路、父親が日本有数の大企業の社長で学校中の人気者である。


しかし、彼にはある疑惑がある。

それは、「月から来た疑惑」である。


まず、全体的にちょっと光ってる。それに、暗くなると月を見て泣いている。さらに、戸籍では竹から産まれたことになっている。終いには、満月の日に狼になっているという。以上の点から全生徒のほとんどが彼のことを宇宙人、地球外生命体だと思っている訳である。


そんな彼のことが気になって受験どころではない私は花見桜(15)。おじいちゃんが枯れ木に花を咲かせたという武勇伝を持つ普通の女子中学生。今日も彼を観察して記録しています。そのせいか、私のあだ名が「天文学者」になったのは言うまでもない。



10月15日(金)

彼がペットのウサギを連れてきた。ウサギかわいい。


10月28日(土)

学校祭でお化け屋敷をした。「狼男がリアルで怖かった」との評価をもらった。


11月8日(水)

学校で飼っていたウサギがいなくなった。


11月13日(月)

彼がウサギを2匹連れてきた。ウサギかわいい。


12月11日(月)

期末テストの結果が出た。また彼が1位だった。今日はいつもより光ってた。


12月20日(水)

彼が親の仕事の都合で転校することになった。みんなが「月に帰るぞ」と噂していた。私もそう思う。


1月7日(日)

彼から餅が届いた。ウサギがついてくれたそうだ。私はこれを食べて受験勉強を頑張ろうと思った。餅はNASAが届けてくれた。


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月見重吾のレポート 太田 凜 @yuurimaruoshi

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