第8話 武器型異能使い

 ”風花の・・・武器がかなり損傷してるのを感じる・・・”


 マリアベルの球体なかから透明な腕が出た。


 その腕はゆっくりと風花に伸びていった。


 ”わたしの・・・球体なかに入れろ・・・”


「マリアベル様・・・お願い・・します・・、 風よレバンテ。」


 風花は呪文を唱え、扇子を出した。

 マリアベルの腕は扇子を捕らえ、自分の球体なかに入れた。


 ”損傷・・・54パーセント


「54パーセントッ!?、そんなに損傷していたのか?」


 零は目を見開いて朱羅を見た。


(幼いとはいえ、阿修羅王の子・・・か、恐ろしいな。)




”共鳴率も・・・下がっている・・・風花・・・私に触れろ・・”


マリアベルの球体なかから透明な無数の腕が出てきた。


「・・・ッ、マリア・・ベル様・・・。」


風花は寝台から立ち上がり、マリアベルに近づいた。


すると無数の透明な腕が風花を包み込んだ。


「マリアベル様・・・お願いいたしま・・す。」


風花はマリアベルの球体に触れた。


”共鳴を・・・始める・・・”



マリアベルと風花が虹色に光りだした。


風花は目を瞑り光とマリアベルの腕に体をゆだねた。


「・・・孔雀・・共鳴率・・ってなに、?」


「んー? ふーちゃんは武器型異能使いなの。ちなみにれーちゃんもねっ。

武器を使うには共鳴率がとっても大事になるんだよ~」


「武器・・型・・・?、」





異能の力にはレベルのほかにも、

武器を使って異能を使う者もいる。異能の力が体内に直接入れられると拒絶反応を

起こしてしまうが、武器にして使うことができる。


それを武器型異能使いと呼ぶ。


そしてその武器を使うために共鳴率が重要となってくる。


共鳴率が高ければ高いほど異能の力も発揮される。





”共鳴率・・・35・・・55・・・67・・67パーセントが最高共鳴率だ・・・武器の損傷も0パーセントになった・・・”



風花とマリアベルから放たれていた光が止み、風花を包んでいた腕は消えていった。


「・・・マリアベル様・・・ありがとうございます・・・。」


風花はマリアベルの球体なかからでてきた扇子を受け取り、

大事そうに抱きしめた。



「ッ・・! 風花・・・ッ」

朱羅は風花に駆け寄った。


「風花・・・ッごめんね、朱羅まだ力ちゃんとつかえなくて・・・

それで風花のこと傷つけちゃって・・・ッ!」


朱羅はぽろぽろと、止めどなく涙をながしていた。

風花をそれを指で優しくぬぐった。


「朱羅様・・・朱羅様は悪くありません・・・。わたしの力不足です・・・

風花は元気です、大丈夫ですよ。」



[~~ッ!風花ァ~~!」


朱羅は勢いよく風花に抱き着いた。


「朱羅様・・・わたくしを心配していただき、光栄です・・・。」




風花はお返しをするかのように朱羅を抱きしめた。





-マリアベル / 武器型異能使い-終

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