第4話 炎の異能

「っしゃー。じゃあ戦闘の前にまず。異能の使い方のおさらいするぞ。」


「えぇー、早く戦闘訓練しようよー!」


カルロスは体を曲げたりして準備運動をしていた。


「だーめだ。まだ異能が安定しないんだから。ほら、手だせ。」


「はーい・・・」


朱羅は壁に向かって片手を広げ伸ばした。


「手の内に力を溜めるイメージを。力が手から漏れないように。」


「うん。」


朱羅は目を瞑り、手の中に力を溜めるイメージを頭の中で描いた。


すると、朱羅の手の中に炎があふれ出た。


「ほらっ、漏れてんぞー。手の中に収めろ。」


「う、うぬぅうううぁーッ!」

朱羅は溢れ出てくる力を制御しようとしたが

思いとは裏腹に炎は大きくなり朱羅の体より大きくなっていた。


「ッ朱羅!止めろ!」


カルロスは朱羅に近づこうとするが炎によって遮られた。


(なんて強く、膨大な力だ・・・ッ!)


炎は朱羅を包み込み、大きくなっていった。


「 ッ朱羅!朱羅ッ! 」


カルロスは自分の腕を鉄に変え手の形を刃のように変形させた。


「うぉおおおりゃあッ!」


カルロスは勢いよく炎に向かって手を振り下げ切り裂いた。

炎は一瞬消え朱羅がみえたが、拒絶するかのようにまた朱羅を覆った。


「ッ俺の"鉄"を拒絶とはー生意気だなぁ、」


カルロスは全身に神経を研ぎ澄ました。

カルロスの体は次第に全身鋼鉄と化していった。


「朱羅、ちぃっといてーが我慢しな!」


カルロスは全身に力に入れた。そのとき、



「カルロス!朱羅だいじょーぶ!」


炎の中から朱羅の大きな声が聞こえた。


「朱羅・・・?、」



炎が朱羅に道を示すかのように開けた。

その中には無傷で笑顔の朱羅がカルロスに向かって手を振っていた。


「この炎、朱羅のこと傷つけないよー!全然熱くないし、だいじょーぶっ」


朱羅は炎を触る仕草をカルロスに見せた。


「はははッ、さすがだな。朱羅。」


(先帝阿修羅王の子だな、炎に愛されてるとは。)



先帝阿修羅王も炎の異能をもっていった。

阿修羅族は昔から炎と縁が深く、祭っていた。

その中でも王である者だけが炎が操れる。


朱羅幼いながらの王の素質を持っていたのであった。


「えへへーっ見て見てカルロス!」


朱羅は自分の周りの炎を消すと手から玉状の炎を出し、

それを体が流れるように躍らせた。

その光景はまるで炎と共に踊っているかのように、美しかった。



「・・・フッ、武術とともに、舞踊も王の力を受け継いでやがる。」


(もしかしたら、先帝阿修羅王も凌ぐになるかもな・・・)


「朱羅。こっちこーい。」


カルロスは朱羅に向かって手招きをした。


朱羅は炎を消しカルロスの元へと走った。


「どうっ!?すごいでしょッ早く戦闘教えてよーッ」


「あぁ、教えてやるぜ。明日からな。特例でお前をに入れてやる。」





異能クラス 

それは10歳以上からになると異能持ちは剣術、体術のほかに異能戦闘を学ぶクラスになっている。



「ッ朱羅がッ!?わーいっ」


朱羅は両手をあげ飛び跳ね、喜びを表した。






-炎の異能-終

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