私は神様。

 親だって、兄妹だって、友達だって、なんでも作れちゃう。

 私はなんでもできた。だって私の世界には私しかいないから。

 でも、たまに、外からパパの声が聞こえてくるの。

「真智子、パパが来たよ」って。

 パパはいつも外からしか声をかけてくれない。だから腹いせにおかしなモノに変えちゃえ!って思ったの。そしたら魔法少女になっちゃったみたい。

 似合わないけど、パパは本物の魔法少女みたいだった。だってパパの声だけはちゃんと届くんだもん。

 私は高校生に憧れていたから高校生になった。でも本当はまだ中学生。

 私には夢が欲しかった。何にも負けない体も欲しかった。とにかくプレゼントが欲しかった。

 パパは来ると、いつも手を握ってくれる。とっても冷たい手で握ってくれる。でも私は何もできなかった、握り返すこともできなかった。

 だって頭が悪いんだもん

 

 

 

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実は父さん、魔法少女なんだ 手塚のめる @nomeru

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