愛してくれて…。




ここはとある異世界。

魔術が現代化になり、偉い人は魔術で世界を救えると言われている。一般人でも使える人はいるが使えない人もいる。

それほどの争いもなくただ平和な世界だ。


私はこの世界がだいっきらいだ。


そうあのときまでは…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


おそい、今日で最後なのに…。

待たせるなんていい度胸ねぇ。

許さないんだから。


カシャッ


後ろを見ると指でカメラを作ってる変態を見つけた。

「ちょっ///撮らないでよ/////」

「いや~ついむくれてるヒガンが可愛かったからww」

「可愛いくないから/////」


その人はごめんごめんと笑いながら、私の腕をとり、歩き出した。本当にと思いながら一緒に歩く。そう今日は私の大事な人、つまりシアンが遠くに行っちゃう日だ。私は腕をギュッと握り笑った。


最後ならば笑顔で移りたい。




「ここは?」

「水族館wほら、ヒガン行きたがってじゃん?w」

「本当か!?」

「ふっwほら、行こ?」

「もちろんだ!」


ヒガンはシアンの先をはしゃぎながら歩くシアンはその光景を笑いながらカメラの魔術を使う。例え体力がなくなったとしても…。この美しい光景を思い出に残るなら俺は。


「シアーン!はーやーくー!!」

「くすくすwあぁ!今いく!」


犠牲なっても敵わない。




「ふぅ~疲れた!」

「はしゃぎすぎw」


シアンは手に持ってるお茶をヒガンに渡した。ヒガンはそれを受け取り一息ついた。

「ヒガン…。あのさ。」

「なにを急に」

「別れてくれないか?」


時が止まった。嫌だ。

素直に言えたならいいのに。

我は見栄を張った。


「そなたと我は付き合っているのか?」

「へっ?」

「てっきり、我は両思いの友達かと」

「…。そうかよ。」


シアンは無言で立ち上がって、帰ろうとしたヒガンは慌てて後を追うがシアンの魔術によって追えなくなってしまった。

ヒガンは悲しそうに念を送った。


これが最後ならばちゃんと別れをしたい。すまぬがあの場所で待っておる。


シアンは、悩んだ。けど、あの強情のヒガンが弱気な念を送るなんて可笑しい。最後ではないし。


それに…。


ザー


あれ?こんなにツキが赤っかった?

ざわざわする。なんだ?この胸騒ぎは。

可笑しい。ヒガン。


ヒガン。


ヒガン!!!






ヒガンが待ち合わせに指定した場所は初めて二人で会った木の場所だった。

シアンは息を整えながら、暗い大きな木の下で待っていた。ちょうどいい根を椅子に使い座った。


そしたら、ふと赤い手形があった。

シアンはまさかと思い、見たら。


知らない人が血を流しながら倒れていた。


「しんで、」

「ただ気を失ってるだけじゃ」


倒れている人の横から現れてるのは。

あの、シアンが撮っていた感情豊かなヒガンではなく。

ただ、ただ、暗い瞳をもつヒガンだった。


「ヒガンどうして!」


「どうして?それは我わの仕事だからじゃ。この男は罪を犯した。だから我わが天罰を下した。」


シアンは、考えた。

本当にあのヒガンなの?わからないよ。

ヒガン。そんな目をしないでよ。


「昔の話だ。」


ヒガンはシアンに顔を悟られるよう目を瞑り、語った。


一人の女子が罪を犯した。罪は人を殺した。女子はそれでよいと思った。回りから人殺しと言われたこれぐらいの罰は受ける覚悟で人を殺したのだから。


だが、不思議なことに人を殺してから笑えなくなってしもうた。いや、感情がなくなってしまったのじゃ。生きる価値もない。そしたら、気まぐれな暗殺者の長が我わに力を与えてくれた。


そして、我わは人々を殺した。」


シアンは追い付けなかった。

ヒガンから、全然思い浮かばない辛い過去だからだ。月光でよくわからない。

ヒガンは目を明け。しっかりとシアンを見て微笑んだ。



「だが、しかし。


とある人に会った。私はシアンに会って。救われたのだ。つまらない日常が輝いた。私に感情を教えてくれた。

ありがとう。シアンを愛せてよかった。

さっきはごめん。本当は嫌と言えばよかった。私も好きだと言えばよかった。

私はシアンを愛せてよかった。本当によかった。


けど、



もうタイムリミット。」


シアンは、訳もわからずヒガンに詰め寄ろうとしたら急に崩れた。


ヒガンは苦笑いをした。


そして、シアンの頭から自分の記憶を抜いた。

シアンは必死に守ろうとしただができない。ヒガンは無表情に魔術を使い抜いている。あと少しで終わるときにシアンは、最後の力を絞って言った。


「あ、いし、てる…。」


「大好きよ」



ポタッ。

ふと、頬を触れると生暖かい水が流れた。


これは、涙?


次々と流れる涙を私は流した。

ごめんなさい。ごめん。

記憶が流れていく。


初めて笑ったとき。

初めて泣いたとき。

初めてけんかしたとき。

初めて嫉妬したとき。

初めて抱き締めたとき。


あぁ。いっぱいありすぎて困ってしまう。こんなに写真があったなんてしらなかった。大好きよって愛してるって思いが浮かんでくる。


愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい愛おしい。




君を諦めたくない。

忘れたくない。君を愛したい。


だが、それはできない。

この縁が切れないならまた出会うだろう。


それまでしばしの別れだ。

お主は大丈夫さ。きっと歩ける。

だから、胸を張って行ってこい。



そして、出会ったら。



また。


「ちゃんとした。愛を語ろうか。」







シアンへ。


カモミールの花を君に。

シアン=シオン[追憶]

元、ヒガンバナより。



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