応援コメント

第78話 バルザック=クレイドの場合」への応援コメント

  •  拝読しました!

     バルザックの半生は……なんだか自分を鏡に見せられているようでした。家族からの冷遇(うちの場合は父親が暴君だっただけですが)から心を病み、死を求めながら死に怯える……文学を拠り所にするあたりといい、自分の過去と現在をつきつけられるようなバルザックには共感せずにはいられません。

     先が見えすぎると絶望しか見えなくなるもの。行く末に破滅しかないなら脳改造もやむなし……と思ってしまうのは非常な説得力を感じました。自分も近年、似たようなことを少し、考えてしまうことがあるので。

     帝国としてはその効果を狙ったわけではないのかもしれませんが、隊長という家父長的な役割を与えられたことで心のよりどころと過去に得られなかった家庭の温かみを手に入れたバルザック。たぶん彼は4人の中で一番仲間思いというか、仲間たちを切り捨てるという選択はできないでしょうね。そういう彼のもとで4人が家族的にまとまっている。普通は結婚とかして埋めるはずの空隙なのでしょうが、いびつな形、かりそめの平穏ではあっても埋められてよかったです。……とはいえ現在の彼らは凶悪な殺戮部隊であって、喜んでばかりもいられませんが。

     今回、過去一番ハードなお話でした。自分とダブるとすごく重たく……ですが非常に「わかる!」という今話。次話、メランのお話と、そしてまだ先になるかもしれませんが彼らを集めたリオンハルトの思惑が語られるときも楽しみにしています!

    作者からの返信

     今回もお読みいただきありがとうございます!!

     それは……つらい話を読ませることになってしまいましたね…………。

     それでも創作は創作。意図して特定の誰かを傷付けることは言語道断だとしても、自分の創作意欲に忠実に従った結果の作品が誰かを不快にさせたり、落ち込ませたりするのも創作の宿命だと思ってます。どうか悪しからず…………。(これでも自分の作った作品を『反社会的! いじめ! 教育に反する!』と母に痛烈に否定されたこともあるので今だにトラウマ。もう自創作を母には見せられません……)

     さて、仮初めとはいえ自分の居場所と仲間を得たバルザック。隊長でもありますし、多分4人の中ではお察しの通り一番仲間想いだと思います。

     ですが、それも戦闘狂という極めて危険な橋を渡りつつの人生。自分の身を危険に晒し、敵対した者からは憎悪を剥けられ……改子いわく『自ら死にに行ってるような人生』なので、少なくとも世間の大多数の人が得られるような幸福は彼らにはほぼ無いと思ってます……。

     ですが、そんな不幸な人種も描きたいと思ってしまうのは創作者の性なのでしようか? そんな奈落へとまっしぐらに突き進むような人間ですら人生を描きたいと思ってしまうのです。創作って、時に我ながら病んだものを孕んでますよね。

     次回、メランの回想で一区切りです。彼女の半生もまた意外なものになったと思います。