第1章 変わり果てた世界
Recession 1
今現在、ゾンビは人間の十倍はいるだろう。ただその人間の数はたかが知れているのだが。
当初はネズミ算で増えていくと思われていたが完全に感染するまでにゾンビに食われた人間が多く数は増えなかった。ただしゾンビとゾンビで戦うことはないようなので数は増えないが減りもしない。
生活していくうえで気を付けることは食料やら水やらの生活物資と、当然ゾンビ。後は人間だ。生き残った人間は生活物資を求めているのだから当然コンビニやスーパーの跡地に行く。しかし、それには危険がある。大きなリスクに対し何も得られないこともあるのだ。
そこで、いくらかの人間は他の生き残りを襲い生活物資を奪っていくのだ。そう考えるとゾンビの方が平和かもしれない。
運のいいことに俺の家周辺はゾンビも人もいない。
孤独を感じることもあるが今のところ何かに不自由したこともないし食い扶持も少なくて済むので大助かりだ。
まだゾンビが本格的に活動していなかった頃に懸賞で当たったカップ麺一年分。これがある限りは食料は大丈夫だ。水は割れた水道管から流れているものを煮沸してから使用できる。
あとは増やした豆苗が唯一野菜として残っている。今は亡き母親に感謝だ。
もっともまったく外に出ないと運動不足になるだろうしゾンビ等の接近に気付けない。だから偵察も兼ねて外を歩くことはある。一つ問題なのは俺の体力では何があってもゾンビにも普通の人間にも勝てないことだ。
それを考えると強い奴が一人ぐらいいてもいいのではないかと思えてくる。まあカップ麺で雇用できればの話だが。あ、あと豆苗。
というか、他の人間はどんな生活環境なのだろうか。
もしかしたら俺以外は集団で楽しく生活していたりするのか。
とりあえず明日は少し距離があるが定番のホームセンターに自転車で向かうことにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます