きっとこれがベスト

ゆっきー

第一話 幸せの予感

信じた人となら、どこまでもいける気がした。そう思っていた・・・少なくともあの日までは・・・。


私の名前は、橘薫(たちばな かおる)どこにでもいる普通の女子高生で、学年は2学年で、1年生のときに、大好きだった彼氏に、浮気されそれがきっかけで別れてしまった。


彼氏と別れてからおおよそ8か月、私は今テスト期間という学生なら誰しもぶつかる壁と戦っている最中だ。


私は、成績はあまりよくないほうで、今もこの前の試験の追試で放課後せっせと問題を解いている。


「ねぇ薫~彼氏ほしくな~い?」


またいつもの如く口に出して何か変わるわけでもないことを言っているのは、私の親友の小森美希(こもりみき)だ。


美希とは小学生のころからの付き合いで、私がつらい時や落ち込んだ時はいつも側にいてくれる、家族以上に大切な人だ。


「彼氏ほしい彼氏ほしいって、美希今まで長く続いたことないでしょ。」


私は特に考えることもなく、いつもの会話感覚で美希に返事をした。


「なによ~そんな薫は彼氏とか気になる人とかいないわけ?」


美希は普段私にしない質問をしてきた。


私はとっさに


「い、いないってば!そ、そんな気になる人とか・・・ましてや彼氏なんているわけないでしょ!!」


私は言ってから気づいた、これは誰が聞いてもバレバレの見え見えの嘘だと。


美希は瞬時にこう答えた


「なにぃ~??薫もしかして、好きな人いるの??図星~~~~??(笑)」


美希の言う通りだ。私はテンパったあまりに、自分の秘密を一つ美希に知られてしまったのだ。


「もう・・・いいよ美希になら教えてあげても。」


私は恥ずかしながらも、自分が好きな人を美希に話した。


「ふ~ん。前の彼氏に浮気されてあんなにわんわん泣いてた薫が新しく好きな人だなんて、私はうれしいぞ~!!!!」


美希は目を輝かせて、まるで自分のことのように私に好きな人ができたことを祝福してくれた。


私は内心恥ずかしいという気持ちもありながら、報告したかった人に報告できたうれしさと、これから先展開される恋物語に胸をドキドキさせていた。


「ねぇねぇ、いつアタックするの?その思い人さんに!どんな人なの?教えなさいよ~!」


美希は自分が興味があることは、自分が納得するまでとことん追い求める性格なので、こうなってしまった美希ははっきり言ってしつこい・・・(汗)


「他校の人で、一つ年上の先輩なの・・・!すごく優しくて、かっこよくて、王子様みたいな人・・・。」


私は恥ずかしがりながらも必死に美希の質問に答えていった。


「ふ~ん。趣味で知り合ったんだ!互いに仲いいんでしょ?なら脈ありじゃないの???」


美希は自分の考えでグイグイ私の恋を進めている。私は勇気がないので美希のような積極的にいける人は正直すごく憧れで、羨ましい。


「ね、ねぇ美希?じゃ、じゃあさ!今度私と美希とその先輩の三人で会ってみない???美希にもどんな人かしってもらいたいしさ!!ダメ・・・かな?」


私があまりにも珍しい提案をしたので、美希は数秒固まっていたが口を開くとこういった。


「あったりめぇよ!!!親友の頼みならとことん聞いてやるぜ!大船に乗ったつもりでいな!!!」


「美希・・・口調が男になってるよ(笑)」


テンションが上がった美希と、美希がいるならきっと大丈夫と安心する私。

私はその時、先輩と会う日まで少しでも自分を磨こうと改めて決心した。


[2話へ続く]


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