豊臣黄金伝説秘話(序章)
つかさ すぐる
1話完結(今のところ・・・)
戸を開けて数段降りると、
紅葉が
その下を歩いていると、
白い岩が
魚が
夏なら
この季節だから何の魚だろうか?
大して高い訳では無いが距離が近いので、
空までをかなりの急角度で
空気が澄んでいる事を
感じずには居られない程、
空が遠くに青かった。
「宿泊する場所だけは確保しておこう」
と探したが、
泊まる所が見当たらない。
「どうしようか」
とその辺りを歩き回っていると、
箸蔵寺に登るロープウエイの
駅があったので、
従業員に相談した。
「
今、紅葉の
無いかも
と言われた。
歴女の私は、
平家の落ち武者の里である「祖谷」には、
もう何度か足を運び、
「かずら橋」や観光列車は
体験済みだったし、
「リアルな
にも、
落ち武者の里を尋ねているうちに
立ち寄っていた。
ギリギリ紅葉の残っている今の季節に、
「
「ロープウェイで行く
入れればいいなとは思うが、
今回は別の目的があったから、
そちらに無理に泊まる必要は無かった。
「他に泊まれそうな所はありませんか?」
そう尋ねると、
「
『
バンガローがあるから
と言って電話で
空き部屋を
3人部屋らしいので少し割高になるが、
それでも温泉旅館よりは安いし、
田舎町の古い宿は安くても職人向けで、
男性が多くて困る事があったから、
そこを取ってもらう事にした。
白い岩が幾つも並んでいる景色は、
「美濃田の渕」と呼ばれる
バンガロー以外にも
キャンプの施設が整備されていた。
大歩危・小歩危の辺りを
全国的には知られていないから、
少し肌寒くなったこの季節なら
宿泊者が少ないらしい。
いつもの一人旅の
少し寒かったが、
隣の「吉野川オアシス」
(高速のパーキングエリアを
利用した複合施設)
に温泉があったので、
入ってから寝ると意外な位よく眠れた。
「さてと・・・、何を食べようか?」
朝早くから食事ができる事は、
昨日温泉に入った時に、
隣にあった食堂で確認しておいた。
モーニングもある様だったが、
「祖谷そば」と言う文字があったので
気になっていた。
この辺りの
「つなぎ」にそれほど
短く切れている。
その代わり、
蕎麦の香りが立っているのが、
山を越えたら近い、
香川県沖の
「だしじゃこ(いりこ)」
でとった
一緒に飲み込む
鼻から
前に祖谷の「道の駅」の脇にある蕎麦屋で
それを食べた時に、
同じ味かどうか不安だったが、
結局それを頼む事にした。
「この店も、
うちの伯母さんの打つ蕎麦の方が
大分うまいでよ。」
大工だろうか?
隣で話す地元の男が、
前に座っている男と話している。
大きな声で話しているので、
蕎麦を食べていても
自然と会話が耳に入ってくる。
その会話の中に
「
私は彼らに話し掛けずには
居られなくなった。
「すみません、
今耳に入って来てしまったのですけど、
『石木』とおっしゃいませんでしたか?」
「
「そこに、『石田神社』ってあります?」
「さぁ、
伯母さんがそんな事言うとった
気もするけんど、
僕は法事の時位しか行かんから
「どう行けば良いです?」
「どうって言われてもなぁ・・・
あ、『
あそこなら
あの辺の世話役が誰かおるわ。」
『増川笑楽耕』と言うのは、
廃校になった小学校を
キャンプのできる施設にした場所で、
公民館の様な場所でもあるので、
周辺の年寄り達が寄ってくるらしい。
「それがええわ!
あそこならタクシーの運転手も
もう一人の男が
そう
男達も親切で、
私が頼む前に地元のタクシーに
電話を掛けて予約を取ってくれた。
私は、お節介なこの町の人々に、
苦笑いをしながらも感謝した。
目的の「石田神社」は
「増川小学校」よりも、
隠されるように建っていた。
滋賀県にある石田三成の
「
彼にゆかりの
「実はな、
家康に押されて豊臣の内部が
不安定になった頃に、
五奉行が豊臣の資産を
と言う話を、
趣味で研究している
一人の歴史オタクから聴かされた。
それからこの二年程、
二人で連絡を取り合いながら
落ち延びて来たと言う話に
落ち延びて来たのは三成の孫らしいが、
その時に財宝をこんな山奥まで
運んで来る事などできる訳が無い。
それでも、
何か手掛りが残されているのではないか?
二人の考える事は一緒だった。
そう言う訳で、
休みが早く取れた私が
先にこうして来たのだ。
足元の落ち葉が、
踏みしめる
音を立てる
突然、
見上げると、
目の前の鳥居に
「石田神社」の文字がある。
悔しがる彼の姿が浮かんで来て、
私は思わずほくそ笑んだ。
了
豊臣黄金伝説秘話(序章) つかさ すぐる @sugurutukasa
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