第28話 打ち合わせ
朝から一戦交えたおかげで、ゆっくりと過ごす時間がなくなってしまい、慌しく用意をして8時20分に自宅を出ました。
駐車場には紳の車が無かったので、おそらく先に向かっているのだろうと思いながら、車に乗り込んですぐに千里は、
「もう、朝から絶対に変なことしたらあかんで!」と言いました。
(自分だって、めちゃめちゃ燃えてたくせに!)と思いましたが、
「うん、ごめんなさい」と謝りました。
「明日からはもっと早く起きて、朝ご飯もちゃんとゆっくり食べるようにするねんから、圭介もお利口さんにして協力してね!」
「はい」
というような感じで、朝から軽く気合を入れられまして、心身ともに引き締めました。
ホテルへ向かう途中、千里は憂鬱そうな表情で、
「なんか・・・ マリと顔を合わせるのが怖い」と言いました。
「俺も、進と顔を合わせるのが怖い」
「圭介は別に、進君に何か悪いことをした訳じゃないねんからいいやんか! 私の場合は、もしもマリに知られたら、何を言われるのか分かれへんし、それに今、『結婚テロ』っていう言葉が流行ってるから、このタイミングでマリには知られたくないねん・・・」
「結婚テロって、物騒な言葉やけど、どういう意味なん?」
「それは、女子の友達同士で事前に何の相談も無く、いきなり結婚の報告をしてきて、それが原因でねたまれたり、気まずくなったり、絶交したりすること」
「それを、結婚テロって言うの?」
「そう、いま世間でけっこう注目されてて、私とマリも半年くらい前に仲の良かった友達にされてしまって、二人でその友だちの悪口を言ってたところやのに・・・」
複雑な世の中、いったい何が流行るのか本当に分かりません。
そうこうしている間にホテルの近くの駐車場に到着しまして、車を停めて歩いてホテルに向かっている途中で、紳から電話が掛かってきました。
「おはようございます、圭介さん・・・」
「・・・・・」
「あのぅ昨夜は本当にすみませんでした・・・ それと昨日は僕、勘違いをしてまして、ほんまは今日、朝から大事な仕事の打ち合わせが」といったところで、私は電話を切りました。
(あのボケ~! 千里から逃げやがって!)と思いましたが、逆に考えると紳がいないほうが余計な神経を使わなくてすみますので、私は千里に、紳が敵前逃亡した腰抜け野郎だと説明すると、
「なんか、あんまり頼りにならない顧問弁護士さんやね!」
という一言で片付きました。
ホテルの前に到着し、二人で仲良く出勤しているところをマリに見られると大変だということで、先に千里がホテルの中に入っていきまして、私は5分ほど時間を空けて入ることになりましたので、ポケットからタバコのセットを取り出して、少し離れたところで一服してからホテルに入っていきました。
すると、ロビーで千里とマリと進の三人が、何やら物々しい雰囲気で話しておりましたので、(もしかして?)と思いながら三人に近づき、「おはよう」と挨拶しました。
「おはようございます」と進が挨拶した後に、マリが険しい表情で私を睨みつけながら、
「おはようございます! 圭介さん! 千里のお父さんから聞きましたよ! どういうことなんですか!?」
と、いきなり噛み付いてきました。
(そのパターンがあったんかぁ・・・)と、マリは方向音痴なので、待ち合わせた時間よりも、いつも早めに到着しようと心がけていることを、すっかり忘れていました。
「マリ、ごめん・・・ 急に決まってしまったから、報告する暇がなかって・・・」
「でも、ほんまにドッキリとか嘘とか冗談じゃなくて、本当に千里と結婚するんですよね?」
「うん。まだ具体的に日にちとかは何も決まってないけど、本当やで」
「じゃあ、お祝いしないといけないですね!」と、進が無邪気な笑顔で話に割って入ってきましたが、
「あんたは黙っとき!」と、マリに一喝されました。
「マリ姉、こわ~い!」
と進が言ったとき、事務所のドアが開いてお父さんが現れてくれましたので、(助かった!)と思いました。
「お父さん、おはようございます」
「圭介君、おはよう」と、お父さんが私に向かって歩いてきてくれましたので、私もお父さんに近づき、
「お父さん、ちょうど良かった! 今からちょっと時間はありますか?」と、この場からいったん離れることにしました。
「うん、時間はあるから大丈夫やけど、それよりもマリちゃんに、千里と結婚することを言ってなかったんやな?」
「あっ、それは今、報告しましたから大丈夫ですよ! じゃあお父さん、この3人は今からシフトのこととかで打ち合わせをしますから事務所を使ってもらって、僕たちはどこか喫茶店に行って話をしましょう!」と言って、お父さんの二の腕を軽くつかんで一緒に外へ出ようとしたとき、
「もう圭介、待ってよ!」と、千里に呼び止められました。
「千里、ごめん! お父さんと話が終わったら戻ってくるから、先に3人で打ち合わせをしといて」と言って、お父さんと一緒にホテルを出ました。
「圭介君、マリちゃんがえらい驚いてたけど、もしかしたら私がいらんことを言ってしまったから、千里が怒ってるんじゃないん?」
「いえ、お父さん、心配しなくても大丈夫ですよ。それより、どこか喫茶店はないですか?」
「じゃあ、たまに行くところがあるから、そこに行こうか」
と言って、お父さんが歩き始めましたので付いていきますと、50メートルほど歩いたところの雑居ビルの一階に喫茶店があり、二人で中に入りました。
テーブル席に座ってすぐにお父さんが、
「圭介君、朝ご飯は食べた?」と訊ねてきましたので、
(いえ、朝からちょっとバコバコしてて時間がなかったので、食べてないです)と、決して本当のことは言えないので、
「いえ、朝からちょっとバタバタしてて時間が無かったので、食べてないです」と答えました。
「じゃあ、私も食べてないから、一緒にモーニング食べようか?」
「はい、いただきます」
私たちは二人ともホットコーヒーでモーニングを注文して、運ばれてきたトーストと茹で玉子を食べながら、千里の引越しが無事に終わったことを報告し、今度是非一度、お母さんと一緒に遊びにいらしてくださいと話した後、本題に入りました。
「お父さん、ホテルのことで気になってることがあって、今から話を聞かせてもらいたいんでけど、いいですか?」
「いいよ。なにが気になってんの?」
「実は、昨日ちょっと話した、元支配人のことなんですけど」
と言って、私はお父さんに、元支配人の保証人になった経緯や、借金の総額などを訊ねていきました。
お父さんの説明によると、元支配人の名前は島崎という人物で、年齢は55歳、小柄で痩せ型という以外に、これといった外見の特徴が無い人物で、気が小さく仕事も真面目な反面、どうも私生活では女癖が悪かったようで、妻との喧嘩が絶えない家庭事情を抱えていたそうです。
島崎が大阪インペリアルホテルに勤めることになった経緯は、今から約20年前、島崎は元々、高校卒業後に地元の徳島のビジネスホテルに勤めていたのですが、東京のインペリアルホテルが大阪に開業するという話を知人から聞き、開業前にスタッフを募集しているということを知りまして、本人はどうせホテルに勤めるなら世界のインペリアルホテルに勤めてみたいということで、募集内容を調べて先ずは書類を送り、その後一次選考に合格して、直接面談の二次面接に向かったそうです。
その時はまだ、インペリアルホテル大阪が建設途中であったため、面接会場は大阪の駅前ビルに開設して、そこで面接を行っていたのですが、島崎が大阪駅に到着後、面接会場を記したメモを失くしていることに気付き、電話帳でインペリアルホテル大阪の電話番号を調べて電話をし、面接会場を訊ねたのですが、実際は大阪インペリアルホテルに電話を掛けており、電話に出たホテルの従業員が、事情を詳しく訊ねることなく難波の大阪インペリアルホテルの道順を説明してしまったそうです。
「えっ! じゃあ、その島崎って元々は、インペリアルホテル大阪に就職するつもりで、場所を間違えてこっちに面接に来たっていうことなんですか?」
「そうやねん。それでこっちに来たときにはもう面接の時間が過ぎてたし、わざわざ四国から出てきてるから、私も申し訳ないなって思ってしまってな・・・・それで、経験者やから即戦力やし、もしよかったらうちで働いてみるか?って声を掛けたのがきっかけで、うちで働くことになったんよ」
(ということは、そうとう間抜けな奴なんやろうなぁ)と思いながら、お父さんの話の続きを聞きました。
「話はちょっと変わるけど、圭介君は千里が、東京でアパレル関係の仕事をしてたっていうことは聞いてるかな?」
「はい、詳しくは何も聞いてないんですけど、それが島崎と何か関係があるんですか?」
「実は、千里が東京で勤めとったアパレル関係の会社は、島崎の義理の姉さんの会社で、名前が田辺っていうおばはんが経営してたんやけど、今から15年位前に、会社が取り込み詐欺か何かで、倒産寸前までいってしまって、義理の弟の島崎に金の無心をしにホテルに来たことが知り合ったきっかけやったんやけど、私が保証人になって、借金を抱えることになった経緯は、その田辺のおばはんが原因やったんよ」
と言って、お父さんはコーヒーを一口飲みました。
「ということは、お父さんは島崎じゃなくて、田辺の保証人になったっていうことなんですか?」
「そうやねん。島崎は女癖が悪くて、嫁と喧嘩ばっかりしてたから、結局はその浮気癖が遠因になって、私が田辺のおばはんと抜き差しならんような関係になってしまったんよ」
「でも、その島崎って、別に男前でもなんでもないのに、女にはモテてたっていうことなんですか?」
「いや、圭介君のお父さんの遺言通りに、浮気はモテない男がするもんやって、まさにそれが島崎のことで、本人は何の取り柄もないねんけども、とにかく女にはマメで、それも誰も相手にせぇへんような不細工な女に手を出すから、余計に始末が悪いというか、それが原因で嫁と仲が悪かったから、田辺のおばはんに頭が上がらなくて、金を用意してくれって頼まれても無下に断ることができなくて、結局は私が200万円を島崎に貸したことにして、その金がそのまま田辺のおばはんのところに行ったのが、私と田辺のおばはんとの金の貸し借りの始まりやったんよ」
その後、お父さんと田辺の関係は、間に島崎を挟んで金の貸し借りは徐々に増えていき、気がついた時には島崎が一人で返済できないほどに膨らんでしまい、お父さんは田辺の会社を債務者として、会社同士の貸し借りという形を取ったことで、ひとつの大きな過ちを起こすことになってしまいました。
この間、田辺のアパレルメーカーは常に業績不振というわけではなく、斬新なデザインなどがテレビや映画関係者らの目に留まり、有名女優などに衣装を提供するなどして、マスコミに取り上げられたりしたことが、お父さんの判断を誤らせた原因になりました。
「千里はね、大学を卒業した時に、ほんまは地元の信用金庫に就職が決まってたんやけど、どうしても田辺のおばはんが、これから自分とこのブランドが有名になって、事業が成功して大きくなるから、ぜひ千里を預からせてほしいって言ってきて、まぁこっちは金を貸してるから、千里は破格の条件で雇ってくれるということやったし、千里が入り込んだら会社がどういう状態なんかも分かるやろうから、こっちからしたら願ったり叶ったりという話で、私が千里に、悪いけど東京に行ってくれって頼んだんよ」
「そうやったんですか・・・ それで、そのアパレルの会社はどうなったんですか?」
「それがなぁ、世の中そう簡単に上手いこと行く訳がなかって、千里が勤めだしてからも、メーカーとしてはある程度は成功を収めたりして、ブランドの名前もそこそこ有名になって、私も新作発表会や色んなショーにお母さんと一緒に東京まで呼ばれたりして、知ってる女優さんとかの華やかなショーを見せられたから、私は自分のメインバンクに相談して、本格的に投資し始めてしまったんよ。
それで、段階的に資金を出していって、上手いこと行くかなって思った矢先に、おばはんのめちゃくちゃなワンマン経営に嫌気が差して、側近が次々と辞めてしまって、それが原因で業界からそっぽを向かれて干されてしまって、それからは3ヶ月に一回くらいのペースで資金繰りが苦しくなって、田辺のおばはんはとうとう夜逃げしてしまったんよ。
それで気が付いたら、私は総額で2億円近い負債をかぶってしまったから、今度はこっちの資金繰りが完全にショートしてしまって、ある程度の借金の整理をすることになって、私は今まで自分の事業で借り入れた借金は一回も遅れたことなく返済してきたから、銀行もある程度は無理を聞いてくれて、箕面の自宅を追加で担保に入れて、ぼちぼちと返していきますっていうことで、一旦は落ち着いたんやけどなぁ・・・」
私はお父さんの話を聞いて、大阪インペリアルホテルの多額の借入金の謎が、ようやく理解できました。
「それで、しきり直しでやっていこうとしたときに、みらい観光開発が来て、ホテルを売ってほしいっていう話になって、交渉している最中に水漏れが起こって、島崎もいろいろと責任を感じてたみたいで、このままやったら自分の給料も出すことが難しいことが分かってたから、自分が他所に働きに行って、田辺のおばはんの借金は少しづつ返していきますっていうことで退社してんけど、1回だけ5万円を送ってきただけで、今はもう連絡が取れなくなっていて、どこにいるのか分からないようになってしまったんよ」
「・・・・・」
私は自分がこれから執るべき行動を頭の中で整理して、
「お父さん、島崎と田辺の写真ってありますか?」と訊ねました。
「写真って、二人を捜し出そうと思ってるの?」
「はい、おそらく捜し出しても二人からはお金を取り戻すことはできないと思いますけど、一種の勘というか、二人を捜し出しておいたほうがいいと思いますから、見つかるかどうかは分かりませんけど、一応は捜してみますね」と言って、お父さんには余計な心配を掛けたくなかったので、竹然上人の話はしないことにしました。
「写真はホテルの事務所にいっぱいあるから渡せるけど、私はこのままホテルを売って、自宅が戻るだけでいいと思ってるから、圭介君には無理をさせたくないと考えてるんよ」
「いえ、これが僕の本業なんで全然無理じゃありませんから、心配しないで下さいね。それよりお父さん、これからみらい観光開発の坂上さんとの交渉なんですけど、僕は娘婿っていう立場で参加しますけど、それでいいですか?」
「そうやな、圭介君はほんまにうちの娘婿になるんやから、そうしたほうがややこしくなくていいと思うわ」
「分かりました。とにかく、僕は田辺と島崎を追いかけますから、お父さんはみらい観光開発の坂上さんから連絡があったら、すぐに連絡してくださいね」
「はい、分かりました」
ということで話がまとまり、お父さんと私はホテルに戻って事務所に入りますと、千里とマリと進の3人はソファーに座って、打ち合わせをしておりましたので、その横を通り過ぎて私はお父さんから田辺と島崎の写真と名刺、住所や連絡先などの、お父さんが知る二人の情報をメモしてもらって受け取りました。
私は二人の写真を眺めながら、島崎はお父さんの言ったとおり、10回写真を見ても憶えられそうにないほど、何の特徴もない平凡な印象を持ちました。
そして、田辺のおばはんは、年齢はおそらく60歳前後と思われますが、こちらは島崎と違って、一度見れば忘れられないといった感じの派手なおばはんで、いかにもファッションブランドの代表を務めていたといった、派手な衣装を身にまとった厚化粧のガマ蛙といった印象でした。
「その写真で大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ圭介君、私はもう帰るけど、あとは任せていいかな?」
「はい、大丈夫です。お父さん、お疲れ様でした。気をつけて帰ってくださいね」
ということで、お父さんはみんなに挨拶をしたあと、事務所を出て帰路に就きましたので、私は仕方なく、3人の座るソファーに向かいました。
マリの穏やかな表情を見ますと、どうやらマリの怒りは収まっているようでありました。
私は千里の隣に座って、正面のマリと目が合った瞬間、
「圭介さん、私は千里のことも圭介さんのことも好きやから、二人が結婚することは、私にとってもうれしいことなんですよ」とマリが言いました。
「私も、圭介さんのことが大好きやし、千里姉のこともいろいろお話してて、大好きになりましたよ♡」と、またもや進がマリの話の腰を折りますと、
「もうっ、あんたが喋ったら話がややこしくなるから、ちょっと黙っとき!」と、強めの口調で注意されました。
「もう~、マリ姉こわいっ!」
マリは真犬じゃなく、真剣な表情で私を見つめながら、
「千里も本気やし、圭介さんも本気っていう事が分かったから、私は心から二人を祝福しますけど、もしも千里を泣かせるようなことをしたら、私が絶対に許さないですからね!」と言いました。
すると、またしても進が、
「私も、千里姉のことを泣かしたら、たとえ圭介さんでも許さないですからねっ!」と茶々を入れたのですが、マリは怒ることなく、
「進、あんた、なんで泣いてんのよ!?」と言いました。
「!」
驚いたことに進は、なぜか涙をポロポロと流しながら、
「だってぇ・・・千里姉のお話を聞いてたら、すごい感動してしまって・・・ 世の中に実際、こんなドラマみたいに感動的で、こんなに素敵な出会いってあるの?って思ってしまったんやもん♡」と言いました。
すると千里が、申し訳なさそうな表情で、
「あのぅ、進君・・・ 確か私は、圭介との出会いって、どっちかって言うたらお笑い話っていうか、出会いとしては最悪やったってお話したと思うねんけど・・・」と、真実を伝えました。
しかし進は、そんな真実などには目を瞑り、
「もうっ、そんな細かいお話はどうでもいいの~っ! とにかく、二人って本当に運命の出会いなんやって思ったし、圭介さんが千里姉の手も握ったこと無いのに、ご両親にご挨拶に行ったって聞いたときに、やっぱり私のアニキってすごいと思って、おしっこちびりそうなくらいに感動しちゃったんやもん♡」と、恍惚とした表情で熱く語りきりましたが、そんな進を完璧に無視して、
「それはそうと圭介さん、私と進がホテルに入ったら、事務所の留守番は圭介さんがするんですか?」と、マリが現実的な質問をしてきました。
「いや、あのな、実はウォルソンの本社は大阪市の北区にあって、顧問弁護士の事務所の中にあるねんけど、そこにはちゃんと事務員さんがおるから、谷町の事務所は無人でもいいねん」
「そうやったんですか。じゃあ、私と進はホテルの業務のことだけを考えたらいいんですね?」
「うん、事務所のことは大丈夫やから、ホテルのことをしっかりと頼むわな」
「はい、わかりました。それで圭介さん、いつ婚約記念パーティーをするんですか?」とマリが言うと、
「えっ! パーティー? じゃあ、圭介さんのお家でホームパーティーしましょうよ♡」と、すかさず進が食いつきました。
「俺にそんなこと決める権限は無いから、千里がOKしてくれたら、 パーティーでも何でもするよ」と私が言いました。
すると千里は、作成したばかりのシフト表を見ながら、
「じゃあ、明後日がちょうどみんな夕方から空いてることになってるし、私は一日お休みで朝から準備ができるから、お家でお食事会しようか」と言いました。
「やった~♡ パーティーピーポー♪」
と、はしゃぐ進を無視して、
「うん、それやったら、千里のお父さんもお母さんも呼んで、みんなで一緒にご飯を食べようや」
ということで、明後日は自宅でみんなを招いて婚約記念パーティーを開くことになりました。
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