第22話 プロポーズ
布団の上で千里は、私の目をまっすぐ見つめながら、とても複雑な表情をしておりました。
それはまるで、驚いているようにも見えますし、それとも悲しんでいるようにも見えますし、見ようによっては喜んでいるようにも見えなくもないと言いましょうか・・・
しかし、よく見ると怒っているのかもしれないと思った時でした。
(怒ってるっていうことは・・・・ もしかして!)
『圭介って、女の子にいっつもこんな『お姫様抱っこ』してきたんやって思ったら・・・ 急に腹が立ってきて・・・』
と、一連の『壁ドン』、『アゴクイッ』の流れかもしれないと思い、
(あかん! これ以上考えさせたら怒りだす!)という結論に達し、
「千里・・・」
と名前を呼んでキスをしたあと、流れのままに千里を抱き始めました。
(SEX中・・・・)
決して手を抜いているわけではございません。
恥ずかし過ぎて、詳しく書くことができないのです・・・
しかし、恥ずかしいからと言って、私が変なことをしているわけでは決してございません。
至ってノーマルな攻めでございます。
千里も恥ずかしさを必死に堪えているようで、その初々しい反応と、透き通る様な白い肌と、想像していた以上に薄い陰毛などが、より一層私を奮い立たせといった、ごく一般的な初めての相手とのエッチと、なんら変わりはありません。
敢えて余人との違いを
(*注意⑦最期に候と書きましたが、私は決して早漏ではございません)
(SEX終了間際・・・)
(もしかしたら、『ちさと~! ガクッ』っていうのん、期待してるんかなぁ?)と思ったあと、
(もし、やってもウケへんかったら、どうしよう?)とためらい、
(いまって、そんなウケを狙う時かなぁ?)と迷い、
(もしここで、また何か変なことして、『圭介って、女の子にいっつもこんな変なことしながらイッてきたんやって思ったら・・・ 急に腹が立ってきて・・・』って言われて、今はマッパやから、金玉を抓られでもしたら、どえらいことになってしまうぞ!)ということで、トリッキーな行動は封印することにしました。
なので、
「千里・・・ イっていい?」
という感じで、60分一本勝負は無事に終了いたしました。
千里のあそこをティッシュできれいに拭いてあげた後、私たちは布団の中で抱き合って、しばらくは放心状態といった感じで余韻に浸っておりました。
ぼんやりとした頭で、胸元に顔を埋めた千里の頭を優しく撫でながら、こんなに一生懸命にエッチしたのは、高校1年の時に初めて同級生の彼女として、その彼女以来だと思いました。
初体験以降、風俗を含めずに、ちゃんとお付き合いをした彼女や、一夜限りの女性などを含めて30名ほどの女性とエッチをしてきましたが、私はSEXに対する考え方が少し変わっていて、女性に対してSEXの行為自体が最終目的ではなく、そこに至るまでの口説き落とす過程と、前戯をしながらパンツを脱がせるまでが、私にとって楽しいSEXであり、最終目的であったのです。
なので、パンツを脱がせてしまったあとは、その責任を取り、義務を果たすといった感じで、どこか醒めた気持ちでSEXの行為自体を行っておりました。
しかし、こうして千里と初めてSEXをして感じたことは、明らかに今までの女性とは違った、義務や責任などはまったく感じず、SEXの行為自体がとても大切に思えて、
(これが、俺の嫁さんになる女性なんや)
と、何の疑いも無く心から素直にそう思い、家族になるための神聖な儀式であったように感じました。
千里は私の胸に埋めていた顔を少しだけ動かし、
「圭介・・・ パパとママに、どういうお話をしたの?」
と訊ねてきました。
私は先ほど、千里の両親に誓ったことを、千里の頭を優しく撫でながら、一つ一つ丁寧に話していきました。
話をすべて聞き終わった千里は、しばらくの沈黙の後、
「圭介のお父さんとお母さんに、会いたかった・・・」と言って、小さく肩を震わせ、嗚咽を堪えながら静かに泣き始めてしまいました。
私は千里の頭を撫でていた右手を背中に回して、ゆっくりと背中をさすりながら、
「今度の休みに、京都におやじとおかんのお墓があるから一緒にお墓参りに行って、その帰りに千里のところのお墓参りに行こうか」と言いました。
「うん。うちのお墓は箕面墓地公園にあるから、こっからすぐやよ」
「じゃあ、お父さんもお母さんも一緒に、みんなで先に千里のとこのお墓参りに行って、それから京都にお墓参りに行って、帰りは京都で何かおいしいものをみんなで食べようか」
「うん、そうしよう」
しばらくして千里が泣き止んでくれたので、背中をさすっていた手を止めて、千里をほんの少しだけ強く抱き締めました。
すると千里が、
「私、圭介に抱かれて、初めて気付いたことがあるの」
と言いました。
「なにを気付いたの?」
「女の人って、頭で考えて相手を選ぶって以外に、子宮で考えて男の人を選ぶっていう言葉は知ってたけど、どういうことか、今までそんなこと感じたことも無かったし、意味が分かれへんかったの・・・
でも、圭介を初めて見た時に、なんとなく分かったような気がして、それで圭介が私のことを好きっていうか、プロポーズをしてもらった時に、出会ったばっかりでとか、会った回数とか時間とかの、頭で考える理屈じゃなくて、子宮のところがなんか熱くなってきて、圭介に抱いてもらいたいって思ったの。
それで今、こうやって圭介に抱かれて、その言葉の意味が、子宮でも頭でも、両方でちゃんと理解することができたよ」
「・・・・・・」
どう答えていいのか分からなかったので、黙っていました。
「圭介は嘘やと思うやろうけど、私は男の人に嫉妬したり、ヤキモチなんか焼いたりしたことなかったし、ワガママなんかも言ったことなかったの。私がワガママを言ったことがあるのは、自分の家族だけやったの」
(うそや・・・)と思いましたが、
「・・・・・」口にしませんでした。
「私が今まで出会った男の人って、何を考えているのかが、悲しくなるくらい手に取るように分かってしまって・・・ だから、嫉妬したり、ワガママを言ったりしたことなんか無かったの」
私はしばらく考えたあと、
「そうやったん」と言いました。
「うん。だからなんで、圭介には嫉妬したり、ワガママを言うのか、自分でも不思議なくらい分からなかったけど、私は圭介みたいな人に出会ったことがなかったし、圭介は私なんかがすぐに理解できるような、そんな単純な男の人じゃないし、言ってることとかやってることは多分、目茶苦茶やと思うねんけど、その目茶苦茶をちゃんと筋を通して、私を含めてみんなを納得させてしまう不思議な力を持ってるやんか・・・
だから私、圭介にワガママを言ったり、ヤキモチを焼いたりして、どうしたら圭介が怒るんやろうとか、どこまでしたら嫌がるんやろうとか、どこまでワガママを聞いてくれるんやろうって、圭介のことを知りたくて、いろいろと試してたんやと思う・・・
だからな、私はこれからも圭介のことを、もっともっといっぱい知りたいから、ワガママを言ったり、ヤキモチを焼いたりするけど、それでも圭介はいい?」
「いいよ。千里が我が侭を言えるのは、家族だけなんやろう?」
「うん」
「じゃあ、俺と家族になろう。千里、俺と結婚して下さい」
「はい」
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