間章
北大西洋に浮かぶ巨大な人工島、セントラル。ここには国際司法裁判所や国際証券取引場、連合軍総司令部など、
なぜかというと、三次大戦から約半世紀が過ぎ去った今でも国際連合と
しかし、大英連合も余計な争いを圏内に持ち込みたがらなし、現代の三大洋はインド洋が隕石落下により消失、太平洋は三つの大国の睨み合う危険地帯。
そんなわけで消去法で選ばれたのが唯一、ここ北大西洋なのである。
他に代わりになる場所がないこの人工島は名実共に地球協和連合のセントラル、なのである。
その中でも目を引く建物、連合会議館の中では、まさに連合加盟各国のトップが互いの意見をぶつけていた。
「日本皇国は我々の再三に渡る勧告にも従わず、未だに
因みに、この連合議事堂は円形の中心に向かって低くなるような作りになっていて、その中心と端との落差は二十メートル以上。
中央にある発言台に上がる人間には普通の数倍のプレッシャーがかかる。
普通の人ならばすぐにでもまいってしまうだろう。その上、百を越える席に座っているのは各国のトップに立つ人間である。
しかし、中華皇帝の顔には恐れも緊張もなかった。
進行係を務める大英連合の副理事長が静まり返った講堂内に問う。
「これ以上の意見を打ち切り、多数決で決定したいと思います。各、連合内で意見をまとめてください。制限時間は3分とします。では、始めてください」
大英連合、否SL隣接国連合はあらかじめ意見がまとまっているのか顔を見合わせることもなかった。
国連の席では、南米民族共同体の女帝にして、
三分後、国連と否SL隣接国連合の賛成で会議は決した。
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