第24話 This Feeling この想い

24.


== 渡邉凛太郎 +南千鶴 + 平松和美 + 松本聖 ==



 凛太郎は南についうっかり先日のアルバイト代(擬似

恋人役)を渡すのを失念していた。妻以外の女性との初デ

ートでボーっとしていたらしい。有り得無いことに数日間

渡してないことを忘れきっていた。その後、渡すタイミング

が合わず今日南が定時上がりするのを見て、その後を追

い掛けた。


 社屋を出た所で呼び止め、渡し忘れていたことを謝罪し

てバイト代の入った封筒を手渡したのだった。


「南さん、ちょっ・と待って!!ごめん、本当にごめん。

約束しといて任務だけ遂行させてお礼を忘れてた。この

間は無理なお願いを聞いてもらってホント助かった、あ

りがとう。遅くなったけど約束のモノね、コレ!!」


「ははっ・・よくぞ思い出して下さった。バックレられ

てるのかと少し思っちゃった。まぁ、そんな人じゃない

のは知ってるけどね。やっぱり忘れてたンだぁ~。ふふ

っ、ありがとう。じゃぁまた、明日ね」

 


 翌日の夜、聖は自分がまだ在職していた頃いた同期で

結婚してからも職場に残り働いている元同僚に連絡をと

った。女性の特徴を話すと、すぐにその人が南千鶴であ

ることが判った。


「同じ様な年恰好でロングへアーの美人に当て嵌まる人

物はひとりしか該当しないなぁ~。90%南さんのことかな

」と教えられた。


「マツ(平松和美)、今は理由を聞かないでその南さんの

電話番号教えてくれないかな」


「OKぇ、いいよ。何の繋がりも無い聖が美人の誉れ高い

南さんと連絡取りたいってことはぁ~・・・。南さんと聖

の旦那は繋がりがあってぇ~と、今いろいろと大変なこと

にでもなってそうだね。何も聞かないけど、コトが落ち

着いたらお茶でもしよっ?ンで、コトの顛末とやらを教

えてちょーだいなっ。じゃぁ後で調べて連絡するね」



「マツ、ありがと。私も早くマツに話せる日が来たらっ

て思ってる」





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