3
飛行船の窓から、ケン太は地上を見下ろしていた。
コロシアムの地面に、美和子と太郎が倒れている。担架が運ばれ、ふたりはコロシアムの施設内部へと運ばれていった。
「これからいかがいたしますか?」
背後に控えている木戸が話しかけた。
ケン太は爪を噛んでいた。いらいらしているときの癖である。
「あのふたりには”処置”を施しておく」
ケン太の説明に木戸は眉をあげた。
「それは……賢明でしょうか?」
「ほかにどうしようがある? それにあの書類のことがある。どこから漏れたか判らないが、まずいことになった。すぐ本社にもどって、関連の資料を処分しないと……」
木戸はうなずいた。それには賛成だった。
「杏奈お嬢さまはいかがいたしますか?」
「あいつはどうしている? 余計なことは耳にしないよう、気をつけたか?」
「はい、特別室にご案内させていただきました」
それでいい、とケン太はうなずいた。
窓に目をやる。
すでに窓の外は大海原になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます