第40話

 空を突き抜ける、巨大なタワーが上空にそびえる。

 荒野がどこまでも続き、大地には草木の一本も生えていない。

『足手まといにならないように』

 立ち上がった初期型シルフィードから皮肉の無線が飛んでくる。

 地上の味方はすでに壊滅、上空にいたはずの味方部隊も、これでは戦力としてあてにはできないだろう。

『あなたのシルフィードはロックされている。敵と真っ正面から戦っても無意味だ』

『ちょっと、それ誰に言ってるつもり?』

 生意気な紅炎の声が機内に響いた。

 シルフィード内に入ってくる機内通信は、どんなに控えめの音声でも外部の無線に声が通じる。もちろん紅炎の勝ち気な言葉も、ユーヤーにはそのイントネーションごと伝わっていた。

『わたしがなんのためにこの子に乗ってるか知ってる?』

『いいや知らないな』

『ぷろふぇっしょなるだからよー!』

 シルフィード二号機が、穴から次々に出てくるトマホークたちを前にブレードソードを構える。

『この子の扱い方なら、直接操縦するわたしの方がうまいわ!』

「通常時ならね!」

 ソノイは考え、燃料計を見てすぐに指示を送る。

「燃料がもたない、一度燃料を補給しなくちゃ」

『補給するって、どっから!?』

「上よ!」

 ソノイは上を見あげ、シルフィードの頭部を操作した。

 シルフィードのカメラがソノイの指示通りに動き上空をズームする。

 微速前進を続ける頭上のマラグィドール。それから、タワーの彼方から何か細かい黒い物が大量に降ってきているのを捉えた。

「あの向こう、どこに繋がってるって?」

『へーわな世界よ。……って、しんだハゲが言ってた』

「冗談じゃないわ! あっち側には何があるの!?」

 カメラを絞り百二十八倍までズームすると、それら落下物が全部動いているのが分かった。

 伸縮を繰り返し、落下物同士が繋がったり、また分裂したりしながらうねうねと動いている。見覚えがある奴だ、ソノイは周囲を見回した。

「こいつら、あんなところから降って沸いてる!」

『少尉あぶない!』

 ユーヤーの乗る半壊したシルフィード初期型が、ソノイのシルフィードにとびかかり上腕で機体を取り押さえる。その直後、遠方の岩場からアックスが投げつけられ、ソノイたちが先ほどまで立っていた場所に勢いよく投げつけられた。

「いたた……」

 頭を抑えヘルメットを被り直すソノイに、無線の向こう側でユーヤーが叫ぶ。

『立ち上がって! 今すぐ!』

 ユーヤーのシルフィードが上からどき、カメラの視界がクリアになる。土煙ののぼる崖と荒野の向こう側に、トマホークがいた。

 歴戦の戦士が乗る、上位兵士専用機体のカラーリング。朱色の翼に、一つ目が赤色に輝いてソノイを睨む。

「ひっ!!」

『あれは、大佐の機体……』

『まだ大佐大佐言ってるのあんたは』

 ユーヤーの苦しむ声に、紅炎がやや軽口風に答える。

『あんた、大佐に死ねって言われたら死ぬの?』

『大佐は、私にソノイ少尉を守れと言った』

『わたし達を騙してたんだよ?』

 戦場にはほかにも複数のトマホーク達、肉塊に包まれたトマホークがいた。

『大佐は、私にソノイ少尉を守れと言った。我々は人間を、脅威から守る存在だ。それ以上の話はない』

『命令があるから守るの? 命令があったら生きるの?』

 中には肉に取り込まれていない、まだ廃棄されたままの機体もある。

 空からは次々と肉の破片たちが降り注ぎ、地面や廃材に取り付いてはすぐさま新しいカートになって機体を持ち上げる。

 蠢く触手、肉の海、肉に取り込まれたトマホーク、黒煙を上げ静かに燃える崖の基地。

「紅炎、彼をからかうのはよして!」

 上空のマラグィドールがエンジンの回転数をあげ、速力を増した。

 穏やかな地獄。死んでも死にきれない戦い。

 目の前には、グレイヴが残したトマホークをデタラメに再生したらしいカートの群。

「ユーヤー少尉! 一度上にあがるわ! もしかしたら大佐が、何か置き土産を残してくれてるかも」

『置き土産?』

 紅炎が、驚いた声を出した。

 シルフィードの腕が上を示す。

 翼が開き、エンジンの回転数が上がる。

 グレイヴ大佐の再生トマホークたちも翼を開く。

「今までずっと気になってたのよ。あの人、いっつも何か黙ってなにかしてきてた。それが今回もそうなのだとしたら……それを確かめたいの』

『確かめる?』

 ユーヤーが振り返り、それから目の前に立つカートたちをもう一度見た。

 カートはかつてのグレイヴのトマホークを、腕や本体をそれぞれ別にして廃材と組み立て立っている。

 もう、あの大男はこの世にいない。

 ソノイは一度翼の調子を整えた。

「上にあがるわ、ユーヤーついてきて!」

『……先は、ここに残ります』

 ユーヤーのシルフィードが、地面に転がる誰かの武器を拾い上げ敵に向かって構える。

『私は、やることがあります』

「死ぬ気?」

『いいえ』

 ユーヤーが構えた武器が、カートの正面にサイトを合わせる。

 ソノイには分かっていた。ユーヤーのシルフィードはあの高さまで飛べない。だが、まだ戦うことはできる。

「あとで迎えに来る。それまで、絶対に死なないで」

『努力します』

 ソノイはユーヤーの言葉を耳に入れてから、何か引っかかってユーヤーを振り返った。

『命令か、それとも何か、私にはやることがある。それがなんなのか、やっと分かりかけてきた気がする』

 ソノイが上へ発ったあとに、取り残されたユーヤーはシルフィードの残燃料と整備不良のエンジンを駆使して空を飛んだ。

 二枚の翼が風を切り、その後に続いてグレイヴの廃棄トマホークたちが地面を離れる。

『大佐がその気だったのなら、私はとうの昔に死んでいたはずだ』

 ユーヤーはシルフィードを手足のように駆り、カートたちの追撃を振り切る。

 ぼろぼろの翼、フレームは歪み、腕部も脚部もすでに稼働限界を超えていた。

『なのに生かされた。大佐のの命令はすべて、我々を欺くためにされていた? 我々は彼に、どこへ導かれようとしていたんだ?』

『しんだものはこたえない』

 突如、目の前に赤い目のカートが迫り、長い腕が伸びてユーヤーのシルフィードの肩を掴む。

『おまえたちは、しぬために生み出された。なおたたかいつづけて、なにをなすために生きる』

『お前を倒すためだ!』

『おーだー』

 カートの腕を切り裂き、剥がれた巨体の頭部を撃ち抜く。

 撃ち抜かれたカートは静かに地上に落下していき、その後に続いてトマホーク達が、ニス時の雲を引き連れて昇ってくる。

 ユーヤーは確かに見た。上がってきたトマホークが、グレイヴの乗機であることを。

『おまえたち、人にあらざるものは、人になりきれぬまま死ぬことがさだめ』

『なにを分かったような事を!』

『ではどうする』

 見覚えのあるエンブレム。長く行動を共にしてきた戦友。

 自分を裏切り、死ぬまで戦わせなおも死ぬことを許さなかった上官。

 自分たちと同じアンビギューターなのに、どこかその心が読めなかった裏切り者。

 読めなかったかつての自分、その抜け殻。

 トマホークたちが腕を上げ、アックスを構える。

『オーダーを』

『裏切り者め……いや貴様こそが……ッ』

 オーダーを曲解し人類を、自分たちを破滅に導こうとしていた張本人だと言おうとしてユーヤーははっとする。

 トマホークがあげたアックスを振り下ろし、シルフィードを押し倒す。

 その目は赤い。だが、その奥には何か語りかける物があった。

『ここでしぬのだ。おまえは、しめいをはたす、それがおまえのこたえだ』

 カートはかつての、グレイヴの声で語りかけてくる。だがその言葉は、真意はどこに?

『自分の……自分のオーダーを裏切れと?』

『オーダーはこの身』

 カートがアックスを振りあげ、ユーヤーのシルフィードを突き放す。

『オーダーは枷。お前を守るものは、偽りの鎖、地に縛られ苦しむことなく死ぬのが、それがおまえの、オーダーなら』

『オーダーが……オーダーがなんだと言うんだ!』

 突如、目の前まで迫っていたトマホーク達が脇による。

 飛び立ったユーヤーの前に現れたのは、あの地下坑道奥から出てきた真っ黒な肉の塊のカートだった。

 ユーヤーは分からなくなってきた。だが今この手には、武器がある。

 翼がある。

 壊れかけの翼。倒すべき敵、だがそれはかつての、愚直までにオーダーに固執する自分自身。

 繰り返す完璧な未来。

 それは、問題を問題とせず解決しないまま永遠に繰り返す、出口のない世界。

 出口と絶望から自ら目を逸らし、地中に籠もって偽りの平和をむさぼる人類に、未来はあるというのか?

それが自分たちに科せられた使命なのだとしたら。

 ……そもそも、本当に自分に課せられた使命は何だろう?

 雲を引き、上空を滑るように進み続けるマラグィドールを見あげユーヤーは、ふと下を見下ろした。

 醜い動物、黒い肉が海のように揺れて自分を追いかける。

 巨大な悪意。その周りを、かつての自分たちが取り巻いている。

「クソッ、いったい誰が敵で誰が味方なんだ!?」

『ムダグチたたかなーい!』

 頭上で飛行機雲を引くもう一つのシルフィードが、脚を格納し、翼を開いて空を飛ぶ。

『あのハゲが自分たちを騙してたんじゃない! 騙してたってことは敵よそうよね!』

『なぜ騙す必要があった?』

 脇に避けたトマホークたちが、それぞれ武器を構えてユーヤーに向ける。片方は錆びて火薬が劣化した多弾頭ミサイル。解き放たれたミサイルのいくつかが地面に落ち、それでも残ったマイクロミサイルがユーヤーを追う。

 ユーヤーはきしむ機体を乗りこなして、ミサイルを間一髪で避けた。

 直後、トマホークがアックスを構え斬りかかってくる。

「シンクロが終わらない! クソッ」

 刃を受け流し蹴りを入れ、ユーヤーはスラスターを開いた。

「どちらから、先に倒す?」

 エンジンスターター用の火薬を使いきり、切り離しと同時に武器を取る。左腕にはブレードソードに、右腕には歪んだマルチガン。

 トマホークが、赤い排気炎を一本だけ吹かしながら再度上昇して上から来る。

 ユーヤーはトマホークの蹴りと打突を受け流すと、いったん機体を引いて距離をとった。


 ユーヤーの乗るシルフィードは、もともと人間が乗って操縦するものではなかった。

 エンジン出力が通常の人では耐えられないほど高性能、求められる繊細かつ高度な操縦技術、トマホークが歩兵用強化装甲兵器なら、シルフィードは人そのものが動かす装甲服に近い。

 自由自在に空を飛ぶには、シルフィードの中央コンピュータとパイロットがシンクロする必要がある。

 シルフィードが要求する人と機械のシンクロ技術が現段階では不可能だったので、紅炎のような半分機械の人工生命体を作る必要があった。

 だが、ユーヤーも半機械半生命体のアンビギューターである。

 坑道を飛び出す黒い肉共、カートに乗っ取られた味方。彼らもまた、肉をかぶった化け物と生命体の合成物だった。

 シルフィードの中央コンピュータと、自身の体に埋め込まれた生体認証機器を接続しシルフィードとの同期を計る。

 シルフィードは、なんなくユーヤーを認識した。

「当たり前だ、私も兵器なんだから」

 トマホークが反応し、己に巻き付いた肉の触手を伸ばして鞭のように振るう。

 ユーヤーも反応した。だがまだ同期が終わっていない。

『……!』

 トマホークが肉の鞭を延ばし横殴りに振るう。ユーヤーはそれを、腕部を駆使して受け止めた。

 肉が伸びてシルフィードに絡みつき、翼を巻き込んで全身を縛る。

「くそっ絡みつかれた!」

『大丈夫なの!?』

「まだなんとか! いける!」

 トマホークが腕を振るい、肉の鞭を振るって地面へと飛ばす。ユーヤーはシルフィードの翼を操作できず地面に投げ飛ばされた。

 シルフィードは地面への激突をまぬがれ二脚で大地に立った。自動バランサーが生きて姿勢制御の把握に成功する。

 軋むサスペンションに、どこかのハードポイントがいくつか砕ける音がした。

「また地面か!」

『おまえはここでしぬ、それが、おまえに与えられたオーダーだ』

 ゆっくりと、シルフィードに巻き付いた肉が拡張を始める。

「なに!?」

 シルフィードの翼を包み込み、装甲を覆い、次第に肉片は肉のカバーになってシルフィードを取り込む。

「クソッ飛べない!」

 地面に根を張る肉。強制的にたたみ込まれる脚と翼、前の前にトマホークが降り立ち武器を向ける。

 その目は哀れみと、慈悲の赤。

『いきてこそくるしむひつようはない。ししててにいれる、へいおんもある』

「それがあなたの……おまえたちのオーダーなのか」

『……』

 カートは答えない。坑道から出ようとする肉の海の大元、いくつもの足を張り出し地表へ出ようとする巨大カートは見ていて醜かった。

 醜悪で、臭くて汚くて、それでも必死に生きようと泥臭く藻掻くあの敵も。

 あれは、自分自身だったのだ。

 アンビギューター。個性すら持たない究極のクローン。

 人のために使命を請け負い、人の未来のために戦う最強の兵士。

「そうか。おまえも、生きたかったのか。カート共に取り込まれても、まだ……」

 周囲に染み出していた残骸から流れる揮発性オイルの蜃気楼に、シルフィードの排気ジェットの熱が伝わり火が灯る。

 最初は静かに灯った小さな種火だったが、それが次第に谷間に流れる風を受けて、ジェット排気に吹かれて勢いを増しシルフィードの翼を、機体を包んだ。

 ずるずると高熱にさらされ、肉の鎖が燃えていく。黒い触手が悲鳴を上げて解けていく。

 トマホーク達がおののいた。

「戦いたかったのか。死んでもなお誰かの為に…人間のために!」

 坑道から、カートの体が飛び出し目を剥いた。


 触手の塊、さきほどソノイを飲み込もうとしていた肉の海の本体が目を剥き本体を露わにする。

「逃げて!」

『使命……オーダーは』

 ユーヤーのトマホークが動きを止める。それを読んでいたのか望んでいたのか、上空を舞う無数のトマホーク達が軌道を変えて急降下してきた。

『私は死ぬこと』

「なにバカな事を言ってるの! バカっ!!」

 立ち尽くすトマホークの前にシルフィードが立ちはだかり、降下変形をこなすトマホークの翼にマルチガンを向ける。

『私のオーダーは命令通りの任務をこなすことだった』

「それが嘘だったとしても?」

『兵士なら従う。従わなければいけない』

「もっともな正論ね、でも私は従わないわ!」

 シルフィードのマルチガンが対象を捉える。弾道補正が繰り返され、高速で向かってくるトマホークのエンジンを狙った。

 照準が絞られ、シルフィードに課せられたロックが照準を左右にぶらせる。

「私が生きろと命令したらそれに従うの? じゃあ死ねって言われたら、それに従うだけなの? あなたバカじゃないの!?」

『私はクローン。アンビギューターは、あなたたち人間とは違う』

 ソノイはトリガーを引いた。シルフィードは銃口を傾け敵に弾が当たらないよう弾道を微修正してしまう。

『うわムリだって! 当たんないよ! 逃げなきゃ!』

「ここで逃げろって言うの? 私にはできないわ!」

 ソノイの威嚇射撃で翼をかすめられたトマホークが軌道修正を行い、ソノイ達のすぐちかくをかすめ飛んでいく。

 地面が削れ、なおも上空には大量の敵影。

 巨大なカートが地面を揺らし、ゆっくりと坑道からその身を引き出して目を向けた。

 ユーヤーを睨む悪意の塊。物言わぬ、赤い瞳の狂気。

 片や上空を飛ぶマラグィドールと、グレイヴの置き土産を目指すソノイ少尉。その先には、それぞれが選ぶ自分たちの道がある。

 ソノイ少尉は空を目指し、その後に続いてトマホークの編隊が追いかける。急降下で地上のユーヤーを狙う可変機達を飛び越し、ソノイはマラグィドールを目指した。

『ユーヤー少尉あぶない!』

『……!』

 空からの機銃掃射に地上のシルフィードが振り向き、赤い光を輝かせ翼を開いた。

 バックステップ……今までと動きが違う。

『!?』

『この動き、この感情、これが……これがやつらの!』

 地上の動きをカメラに納めつつ、ソノイはマラグィドールの甲板上にたどり着いた。

『どうしたの! あなた、大丈夫なの!?』

『少尉、私は私のオーダーに従う。それが、我々が一番大事にしている人たちを、あなたを救うことになる』

『なに言ってるの!?』

『少尉! 私は、あなたに言ったはずだ。大佐はいつも、大事なことは話さないと』

 赤目のシルフィードが腕を上げ、武器を掲げて前を示す。

 可変機が速度を落とさず飛び去り、地上すれすれを飛ぶ機体がユーヤー機の目前に飛びかかる。

 それを、ユーヤーのシルフィードは横に払って一刀両断した。

『大佐はあなたを騙していたわけじゃない。我々は、我々の与えられていたオーダーを達成するために戦ってきていた。それはこれまでも、これからも』

 ユーヤーのシルフィードが銃口を露出させ、ガスと共に薬莢を散らしながらユーヤーに迫る。

『大佐は、確かにオーダーを実行していた。我々はクローン。自ら与えられた使命をこなし、人々を理想の世界に導く』

 ユーヤーのシルフィードがブレードを構え、可変機を見据えて振り下ろす。

 可変機は縦に切られ、次いで横になぎ払われて四つに分裂し後方へと吹き飛んだ。

『だがその結果は、まだここに至っていない』

 地上に残ったシルフィードが、赤色に染まった己の手を見て、手を握る。

 そして空を見あげた。

『カートは敵だ。我々は奴らを倒す。未来は我々が築くものではなく、あなたたちが自ら決め、自ら手に取るものだと』

 ユーヤーの口調が、変わった。いつか自分の下につき、ソノイを守るものとして武器を振るっていたときのまま。

今度は、確信に満ちている。

『人類。我々はあなたたちを、理想の世界へと導く。大佐はそのために死んだ。今度は、私があなたたちを導く』

 人が変わったような口調のユーヤーに、ソノイはぞっとした。

 シルフィードはマラグィドール上に立つと、かつて自分たちが乗っていた降下艇の残骸を見あげる。

 煙と、光りと、大量のカートたちが艦外にあふれ出ている。

「なにを?」

『もう諦めて! 下を見ちゃダメ!』

 紅炎が悲鳴を上げた。

『前よ、前見て!』

 そこには、かつて自分たちがいたあの地上世界があった。

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