第16話 思惑の枝分かれ

「グッドニュースだ!」

グレイブがふっと笑い、装甲服で固めた腰に手を当てる。

窓の外でソノイのX―R九九シルフィードが変形を終わらせると、ジェット排気を吐きだし勢いよく降下艇から離れていった。

「タイミングもいい、あの小娘の命を最大限に活かすためには我々が囮となりケツを守ってやった方がいい」

「敵飛行カート上に、複数の小型カート隊を発見!」

「ああ神よ! 狩人の神よ! 死に神よ! 我々は感謝します新しい獲物、生け贄を寄こしてくれたことに! 感謝だ!」

ユーヤーは上を仰ぐグレイブに身を寄せると、そっとその耳に問いかける。

「まさか、敵を迎え撃つつもりですか?」

「それがまさかなのか?」

グレイブは逆に驚いた顔で、ユーヤーを振り向いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る