第3話 壁の中から 入り口へ

 地上作業員の振る緑と赤の誘導灯に従い、ティルトコプターは土煙を上げながらヘリ用エアポートを後にしていった。

 幅広の、しかし他に駐機している機体は一機も見えない大きな空港だ。

ソノイはヘリを降りると大きなバッグを肩にかけて基地の様子を見る。

 かすむ赤い太陽。周りには基地の住人と思われる人だかりがあって、それぞれ持ち場の仕事のため懸命に働いている。

 ヘリクルーの方は飛んでいったヘリを見送ると、そのまま基地の建物に向かって歩いていってしまった。

「迎えが来ないわ」

 一人エアポートに取り残されたソノイ・オーシカ少尉の周りを、特異なアーマーを着込んだ現地兵士たちが通り越していった。

 誰もソノイの姿に興味がないようだ。そこへ一台のジープが、四輪のタイヤをきしませながら走ってきた。

 運転手もまた、他の地上員と同じセラミックドアーマーを着込んでいた。

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