これまでのあらすじ2
横浜。その地では現在、"吸血姫"《ヴァンパイアレディ》と呼ばれるFHイリーガルがやってくることで大きな変化が起きていた。
そんなことは露知らず、UGNイリーガル樫吏一二三は何の変哲もない日常を過ごしていた。
クラスメイトの殿森陽菜といつもの様に登校しているとワーディングを感知すると同時に建設途中のビルが崩れる。そんな中、一人の少女が一二三達を助けるとわびの言葉だけ残して姿を消した。
一方、別の場所ではFHの傭兵である"スマイルギフト"須賀井碌は同じ傭兵であるクリスより長期の"吸血姫"の護衛依頼を受け横浜の地で調査を開始した。
一二三はUGNから待機を命じられる、自宅へと戻ると先ほど助けた少女が倒れていた。一二三は朝に出会った少女を保護。一方、碌達は周辺の調査を勧め吸血姫の所在を掴む。
「ごきげんよう、お姫さま。僕は<スマイルギフト>、あなたの護衛をクリスに依頼されたしがないナイトです」
その場所は一二三の自宅、そこにいる少女こそが"吸血姫"カリア=フェイスロードだった。
樫吏らはカリアを守るためにUGNに情報を隠したままカリアを狙うFHの傭兵クレイジーボマーと依頼人、春日恭二を陽菜が搬送された病院近くにて確認、戦闘しこれを撃破する。
「……私のせいでこんな事件を起こしておいてこんなことを言うのもどうかと思うが。今一度聞く。私と共に来る気はないか? 一二三」
「ごめんな。おれ、この街の女の子が…この街が割と好きなんだ。大事なものを守るなら、やっぱり正義のオーヴァードじゃないと」
カリアは樫吏を自分達の陣営へと誘うが樫吏はこれを拒否。別れる事になった。
2
しばらくして、樫吏は連休を迎え、クラスメイトの殿森陽菜達と旅行へと向かう。女子とのいちゃこらに心を躍らせていた。一方で須賀井はカリア、クリスともに静岡の山道にてUGNとの戦闘に入る。
その際にカリアが負傷する。オーヴァードであれば即座に治るその傷の治りの遅さに須賀井は違和感を抱くが置いてアジトへと向かう事にした。
しばらくして、一二三は陽菜と付近のスーパーマーケットへ買い出しに向かうとカリアに遭遇する。苦しい言い訳で関係の追及を逃れるが陽菜は一二三に対して不信を抱く。
須賀井達はアジトにて対UGN部隊に対する作戦を練る。
カリアが現れたことでどうするべきか、と考えている中、UGNイリーガルである浅見千恵が一二三の元へと訪ねてくる。
「あなたはどうしたい? 吸血姫を」
「詳しい事はよくわかんないけど、吸血鬼はオーヴァードのために戦ってるみたいだった。少なくとも、悪い奴じゃないと思う。……死なせたくない」
答えを出せば一二三と千恵は行動を開始する。
情報を集め、とうとうUGNとカリア陣営の決戦、その時が近づく。
カリアは碌にこの戦いに向ける意志を伝え。
一二三と千恵は此枝に戦闘停止を訴えるが聞きいれてもらえずに終わる。
決戦の日が訪れる、数で劣るカリア勢は多少の損害を出しながらも此枝率いるUGN部隊と互角の戦いを繰り広げる。
「ただ、俺達は命令をこなすだけだ。居場所を守るためにな」
「あんなだけど、頑張ってる女の子をいじめるのは正しくないと思うよ、此枝」
一二三達は此枝と交戦し、撤退へと追い込むことに成功し再び日常へと戻っていく。
その途中、碌はカリアの秘密を知ってしまい。クリスへと探りを入れ、その上で仕事の継続をすることにした。
3
一二三はUGN支部へと出頭を命じられUGN支部長であり陽菜の祖父にあたる織木九朗と出会っていた。先の戦いの吸血姫への荷担について、そして吸血姫達が横浜を荒らしているとの情報を得る。そして、学校で疑念を抱く陽菜にたずねられる。
「質問を変えるね?――この間の旅行の時、此枝君とどこへいっていたの? 最近、街で事故が多いのと関係があるの?」
答えず、一二三は日常を守る。
碌は偽者の吸血姫の調査を開始すると、マスターオブリビングデッドが寝がえりの要求がなされるが拒否。その際にクリスが既に裏切りを企てていることを聞く。
疑念が渦巻く中、再び一二三と碌は手を結び、この騒動の真相を明かしUGNとのカリア達を繋げるために動き始める。
これまでのカリア達の動き、殿森陽菜を敵の従者から守り。交渉へと一二三たちはは臨むがその途中で邪魔が入り、追撃へと入る。
追撃した先にはカリアと良く似た複製体だ、一方クリスはマスターオブリビングデッドと対峙、彼に向けて銃を向けた。
一二三は迷いを抱きつつも碌の助けを得て敵を撃破する。そこへとマスターオブリビングデッドが姿を現す、彼はカリア複製体に対し止めを刺そうとするが碌は身を呈してそれを阻止。
「やれやれ、親子そろって邪魔してくれる」
須賀井碌の親殺しの主犯であることを、マスターオブリビングデッドは話せば碌は自らの力を酷使しようとする。同時にカリア達が加勢へと入る。
「そこにいるカリアと呼ばれる者もそこの劣化品と同様、私の複製体だ。人でもオーヴァードでもないただの失敗作だ」
タイミングを図ってマスターオブリビングデッドはカリアの正体を明かす。動揺する中、カリアはマスターオブリビングデッドに挑むが敗北、攻撃が全く効かない絶望的な中横浜全域を取り込もうとマスターオブリビングデッドは動く。
「……全員、逃げろ。今のままでは勝てない」
遅れてクリスがやってきて全員に撤退を促し、戦闘は終了する。
碌達はアジトの一つへ。一二三たちはUGNの拠点へ。
碌はカリアの複製体を捕虜として確保、ケーキを片手に様子を見に行く。
「何故、……助けた?」
「何故もなにも、ねえ。あそこで死ぬのもなんか違うでしょ。後味悪いし。あの男の邪魔をしたかっただけかも――ま、放っておけなかったんだ。自己満足でごめんね」
複製体は迷いながらもケーキを口にする
「おい、しい」
「ならよかった。ケーキがおいしいなら君も立派なひとりの女の子だよ」
そこへとカリアが訪ねてくればこれからについてのことを碌に問えば依頼を待つと答えて、カリアはやるべきことをなすためにその場を後にした。
一二三は千恵から戦う意志を問われる。
「結構な敵ってきいたけどそれと正面きって戦う気はある?」
「だってやらなきゃ、もっと大変なことになるでしょ? それに――これでもちょっと怒ってるんだ、俺」
UGNとして、ではなく一人の力を持つ者として戦いへと臨む。
4
碌はアジトにこもっていると一人の少女が手紙を持ってたずねてくる。手紙の内容はカリア決死の覚悟でフェイスロード卿に挑むと言うもの、少女からカリアを助けてほしいと言う依頼を受けて、碌は彼女を助けに動く、途中、目的を共にするカリアの軍勢が加わる。
一二三も浅見をはじめとするUGN部隊を集めて横浜へと進行をはじめ、変貌した横浜を目にし住民の救助を最優先に動き碌達と合流する。同時にカリアの向かった先が判明、即座にカリアの元へと向かう。
カリアは今回の一件、自らが引き起こしたとして独りで戦っていた。そこへと一二三達が説得を試みる。そしてカリアは何故、恨まないのか、助けるのかと問う。対して一二三は
「おれは正義のオーヴァードだから。悪い奴を倒す為なら、なんでもするって決めたんだ。…それに――困ってる女の子を助けるのが男でしょ」
単純にして、最初から変わらない答えを出せばカリアは一二三達と行動を共にし、殿森陽菜をはじめとする一般市民の解放する。
「今は、大変な状況なんだよね? だから、また後でちゃんと話してくれる? 私達の周りで何があったのか」
「……うん、わかった。その時はちゃんと話すよ」
陽菜と、全てを伝える約束をして、一行は。フェイスロード卿の下へと向かった。
塔の前には樫吏、須賀井、カリア、此枝、浅見。そしてそこへとクリスとカリアコピーが加わった。
そこでカリアコピーは、須賀井から"アートオブハート"ココロという名前を得た、お互いの意思を確認し、誰が戦いに赴くか、話した結果。
樫吏、須賀井、カリア、此枝、ココロが決戦へと赴くことになった。
フェイスロード卿を倒すための毒、須賀井の母の残した資料を頼りに作ったデザイアブレイカーを体内に宿しフェイスロード卿の下へ。
ホール化した広間で戦闘がはじまった」
「"黒の王子"、凡人のお前は好きに望みを叶えられる世界を望まないのか? 私が作る世界はそういう世界だが」
「…俺はあんたとは違う。都合良い世界なんてほしくない。ツンツンされても、いい。可愛い女の子は、誠心誠意口説く!」
フェイスロード卿の問いに、臆することなく飾ることなく一二三は答えてみせた。
そうして、激戦が始まる。お互いに必殺の技を繰り出し、しのぎ、防ぎ、そうしてフェイスロード卿を追い詰める。
「君に頼ることになるけど、いいかな? あれをさ、ぶっとばしてほしいんだ」
「わかりました!須賀井さんのぶんも全力でぶっ放します!」
信頼できる仲間に支えられるが、それでも厳しい。
一二三が倒れかけるが。
"終わったら女子(陽菜)とのデート"
その約束を糧に立ちあがり最後の攻撃を放ち、フェイスロード卿を仕留めた。
そうして、横浜は平穏を取り戻し。
戦士たちはそれぞれの生活へと戻っていった。
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