ミックスキャスト

三河怜

これまでのあらすじ1

 「はじめまして!今回はじめて仕事を頼まれました新人の暁充って言います!」

 「暁ね、どーも。根津沼 鈴汰だけど、リンダでいいよ」 

H市で起きた百鬼夜行を調べるために、新米のUGNチルドレン、"アマテラス"暁充とUGNエージェント"ドブネズミのリンダ"根津沼鈴太郎がH市へと出向く。

 出向いた先の学校で百鬼夜行について調べていた浅見と接触、協力しつつ百鬼夜行の主であるシスターの少女を見つける。

 浅見を遠ざけつつ二人は少女と交戦。結果、シスターの少女の拠り所であるジャームを仕留めることで無力化。

 その後、シスとして保護することとなり、三人での生活が始まる。

 

 シスについて調べるため、リンダは研究所へ向かう。その間、暁は浅見からの何者なのか? という追求を受けるが辛くも逃れる。

 検査の結果、シスの正体がレネゲイトビーイングであることに加えて、ジャームをも鎮静化させて従えることのできる特殊なレネゲイトウィルスをもつ"古代種"であることが発覚する。

 自らの存在についてシスが思い悩む中、元UGN研究員、"災厄なるものカラミティメイカー"倉島久秀が研究所へと襲撃をかける。

 暁はその知らせを受けるのをみて助けにかけつける。その戦闘の最中、暁達は倉島久秀と接触。倉島はシスに対し暁達とは同じ時が過ごせないこと、シスの身が戦いの原因となる現実をつきつける。

 シスが暁達から逃げ出す中、暁達は倉島久秀の作った実験動物オルトロスと交戦。自らのジャーム化をかろうじて避けて勝利し。逃げ出したシスを見つける

 「…俺はシスとまだ一緒に居たいって思う。 シスだはどうしたい? もし、まだ一緒に居てくれるって。思ってくれるならこの手を取って欲しい」

 「ごちゃごちゃ考えねーで、『今』どうしたいかでだけで充分だ」

 「……わたしも、ここにいたい、よ、まだ二人といたいよ」

 暁達はシスを説得し共にH市へともどっていった。

 

 夏休みも開けた中、浅見は父親の形見である銀色の懐中時計を手に取ると不思議な声を聞く、その声に導かれるように動き始める。

 後日、暁達は倉島久秀との戦闘後も変わらぬ日常を過ごしているが、暁は学校で浅見が欠席する中、クラスメイト達が浅見の噂をしていた。

 リンダはシスと共に買い出しに出かけると浅見と接触。いつもの様に接しようとするがどうも様子がおかしい。不審に感じ二人は距離を取ると変貌した浅見は立ち去った。

 夕方になると暁を担当する支部長浦部より暁達が様々な組織、派閥に監視されている事が告げられ、夜更けにはUGN中枢議員アッシュ・レドリックから浅見千恵の殺害を命じられる。

 混迷する状況の中、浅見から会いたいという旨のメールが来、三人は応じて浅見の家へと赴けば浅見は銀色の懐中時計を片手に話しを始める。

 彼女がかつて、自分の父親である浅見公彦と行動を共にしていたレネゲイトビーイングを、「銀色の守護者」を得たこと。そしてその「銀色の守護者」もかつて、シスを守るものであった事。

 それらを話して自らの手でシスを戦いの場から遠ざけたいと話すが暁達はそれを拒否。ならば、どうするという問いに対し。

 「シスは死にません――俺たちが守るってこの前ちゃんと約束しました」

 暁の答えに銀色の守護者が迷っているとUGNからの攻撃を受ける、銀色の守護者を守るために迷うことなく暁達はこれを迎撃。撃退した結果。UGNとの関係が悪化し、そして、リンダにたびたび庇われてきたことで暁の心に影が差した。

 「男が泣くな、みっともねえ」

 そう、リンダが声をかけるが暁の影は消えぬまま一行は使われていない教会へと身を隠す。

 見張りを勤めるリンダの元にはUGNからの連絡、厳しい処分がなされる旨がされる。不安になるシスに対して

「お前が俺の身長越すまでは、いるんじゃねーの」

 そんな言葉を投げかけ。

 一方、教会の中では暁と浅見が話しを交わし、暁達が必要とすればその力を貸してくれることを約束した。




 UGNから処分が下され、リンダが任務から外されることとなる。暁とシスが見送った帰りに倉島からの強襲を受け、シスが攫われH市は神社を中心として巨大な大樹がそびえ立ち混乱に包まれる。

 一方連行されたリンダは暁を担当する支部長達らの手によって奪還、再びH市へと戻る。

 各自、浅見をはじめとする協力者達に支えられて暁とリンダは再開を果たすが。暁はリンダを死なせたくない一心でリンダとの協力を拒むが、お互いシスを助けるために和解。倉島久秀の待つ、黒き大樹へと向かう。

 倉島久秀との死闘を繰り広げた。

 「先輩、最近寒くなったし帰ったら今度は皆で鍋しましょうね?俺、人と鍋した事無いからしてみたかったんです――先輩、俺初めてパートナー組んだのが先輩でよかったです」

 ただ、リンダはいつものように静かに暁の言葉に応じて暁は自らを繋ぐ仲間達の絆を力に変えた矢を以て決着をつける。シスを奪還、シスの力を以てH市のレネゲイトウィルスを鎮静化。

 シスを巡る一連の事件は終わりを告げた。

 暁達はUGNから記録では死亡したとされ、シスの力が悪用されないために遠く離れた地に暮らすことになる。しかし、そこにはかつてのような温もりはなく、どこか余所余所しいものだった。

 それからしばらくして、暁は違和感を調べるために単身H市を訪ね、そこで見たのはかつての生活の場。暁はそれらを見て

 「なんで、こんな大事な気持忘れてたんだろう」 

 涙と共にかつての絆を取り戻し。元の三人の関係へと戻っていった。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る