第24話 3人娘の休日そして白い日
異変が起きていた。
それは確かに異変だった。
探索者は紅を塗る、探索者はアイシャドウを塗る、探索者は胸元を大胆に開ける、探索者は勝負下着を着る、探索者は目いっぱいおめかしをしてダンジョンの階段を下りた。
「「「いらっしゃいませお嬢様!」」」
そこには、動物の耳を生やしたイケメン達の笑顔があった。
◆
225 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:07:43.78 ID:xxxxxxxxx
超絶暇だ
226 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:08:44.13 ID:xxxxxxxxx
ダンジョンもぐれよニート
227 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:09:21.31 ID:xxxxxxxxx
朝一で行ったけど今日はワウちゃん達おらん。
なんかケモミミイケメンがおる。
228 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:09:45.25 ID:xxxxxxxxx
kwsk
229 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:10:01.37 ID:xxxxxxxxx
ホワイトデーキャンペーンらしい。聞きつけた腐女子共が大挙してやって来て香水くせぇ。発情期かよって感じで群がってる。ホムンクルスガチャも男祭りだってよ
230 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:10:27.41 ID:xxxxxxxxx
無いな
231 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:15:47.22 ID:xxxxxxxxx
今日はもうテラのあなよって帰るわ
232 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:15:56.34 ID:xxxxxxxxx
乙
233 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:32:11.11 ID:xxxxxxxxx
ワウちゃんgs板!!!!
234 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:32:32.32 ID:xxxxxxxxx
餅突け
235 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:32:55.48 ID:xxxxxxxxx
なんだ休みじゃないのか。けどあの腐った群れに入る気はせんな。
236 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:33:10.19 ID:xxxxxxxxx
つがう! あきばはらに居たんだ! しかも私服で!!
237 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:33:15.81 ID:xxxxxxxxx
あきばはらww
238 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:35:21.36 ID:xxxxxxxxx
確認スタ! 確かにアキバに居る! ワウちゃんスカート! ラウちゃんパンツ! ニャウちゃん童貞を殺す服!! どうするどうすr!?
239 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:35:51.24 ID:xxxxxxxxx
仕事はえーよジェバンニャww
240 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:36:21.81 ID:xxxxxxxxx
なるほど、ダンジョンが腐女子祭りだから今日はオフなのか。
つまり……
241 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:36:35.11 ID:xxxxxxxxx
今玄関
242 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:37:40.41 ID:xxxxxxxxx
出かけるって行ったら親に泣かれた
243 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:39:27.51 ID:xxxxxxxxx
何が遭った
244 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:44:14.64 ID:xxxxxxxxx
俺ヒキニート。家出るの5年ぶり
245 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:47:11.98 ID:xxxxxxxxx
良かったなカーチャン
246 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 07:57:27.42 ID:xxxxxxxxx
ダンジョンがニート家庭を救ったwww
◆
朝の秋葉原を3人娘が歩く。
その姿は何時もの看板娘ファッションではなく、こちらの世界で購入した私服である。
そして耳は魔法で消す事無くそのままだ。
これはラズルの指示だった。
あえて本来の姿を晒す事で、ダンジョンの中だけでなく、町の中でも自分達の姿を馴染ませろとの命令だった。
だが三人にとっては、正体を隠さないで済むので楽という程度の認識だ。
彼女達はアイテムや魔法の力で見た目を変える事ができるが、本来の姿を無理やり認識できなくするのは厚着をして帽子を被っている様な感じで違和感がするのである。
つまりストレスになるのだ。
「この時間だとお店全然開いてないワン」
「早すぎニャ」
「朝ご飯食べるウサ?」
ラウが朝食を取る事で時間を潰す事を提案する。
「モックで良いワン?」
「値段対して変わらないからビスがいいニャ」
「バウンティでもありウサ?」
「でもこの辺にあるのはモックくらいワン」
「「じゃあそれで(ニャ)(ウサ)」」
結局、移動の手間を考えて三人は近場のファーストフードを選んだ。
◆
267 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 08:03:11.71 ID:xxxxxxxxx
こちらパイソン、目標をモックで発見。フィッシュバーガーとコーヒーを購入して二つ横の席に座る。
268 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 08:08:41.13 ID:xxxxxxxxx
横の席に座れよww あ、ポテト買っておいて
269 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 08:11:23.78 ID:xxxxxxxxx
恥ずかしい、あと自分で買え
◆
「今日は何処にいくニャ?」
食後の野菜ジュースを飲みながらニャウが行き先を聞く。
「新しい服が欲しいウサ。男子を誘惑できる様なエロエロな服を!!」
「本気で買うならついていくワン?」
「あ、ごめんなさいウサ。普通の服で良いウサ」
軽い冗談を混ぜながら三人は一日のスケジュールを決めていく。
そんな3人を好奇の視線で見る店員と客達。
だが日頃の接客で慣れている三人はそんな視線など気にもしない。
「そろそろ良い時間だから行くニャ」
おしゃべりをしている間に結構な時間が経過していたらしく、三人はゴミをゴミ箱に捨ててから店をでる。
そしてそれを追うように、というよりも実際に追いなが人々が出て行く。
そして1分もしないうちに店はがらんどうとなったのだった。
と、そこに一人の若者が入ってくる」
「いらっしゃいませー」
先ほどまで混雑など無かったかのように店員が客を迎え入れる。
「あれ? いねぇ?」
しかし若者は店員の声など聞きもせず、店内をキョロキョロと見回すばかりであった。
「くそ、遅れたか!」
ネットの情報を頼りに私服姿の3人娘を見に来たが、見事に行き違いになってしまった若者であった。
この後も数人の男達が出遅れては店を出て行く事になる。
◆
そのころダンジョンでは、
「ありがとうございますお嬢様」
「こちらがホワイトデーサービスでございますお嬢様」
「おめでとうございますお嬢様。スーパーレアカード、ホワイトラッキーマシュマロでございます」
3人の狐耳、羽、たてがみを生やしたイケメン達が様々な女にもみくちゃにされるていた。
彼等はラズルが緊急で呼び寄せたバイト時代の後輩達であり、その中でももっとも人間に近く容姿の優れた若者達だった。
(うぉー! こんなに急がしいなんて聞いてねぇぞラズル先輩!!!)
(沢山の女の子にチヤホヤされる仕事って聞いたから来たのに、女じゃななくて化け物ばっかりじゃねぇか!)
(うわわわわっ、なんでこのお姉さん達、僕の股間や胸を触ってくるの!?)
三者三様の悲鳴が心の中でほとばしるが、ラズルとの契約で仕事中は絶対に笑顔で客に接し、拒絶したり怒鳴ったりするなと厳命されていたのだ。
(((幾らなんでも割りに合わない(ぞ!)(ぜ!)(よー!))))
色と金に誘われた男達の悲鳴が地下に埋もれる。
◆
「はい今日も儲けましたー」
「男も女も顔さえ良ければ金を落としてくれるので私としては最高ですね」
フリーフロアの地獄の様な光景から目を逸らして欲望パワーの増加を眺めるラズルと淡々と書類整理を行うライナ。
「あー、予定以上に大変っぽかったから、あいつ等にはちょっと色付けてやらないとな」
「契約で賃金は決めてありますが?」
「来年の事も考えると給料を天秤に考えるくらいの旨みがないと逃げられる。その為に金銭的に困ってる連中を選んだんだからな」
「なるほど、金をちらつかせて逃げれなくするわけですね。さすがはご主人様。たとえ自分の知己であろうと利用できるのならば金でがんじがらめですか」
変な方向に感心するライナにラズル嫌な顔をする。
「いやいや、フォルクスは女で金を使いすぎるヤツだし、バルドは大金が必要な趣味をしてる。リオは親の借金があるからな。連中女の扱いを心得ていたり知識があったり、礼儀作法を知ってたりするから、女を怒らせる事はそうそう無い。単純に顔だけで選んだ訳じゃないぞ」
「そこまでお考えでしたか」
「リピーターを考えるなら従業員の質にも拘らないとな。だから追加ボーナスで労働の喜びを教えてやるのさ。こいつは俺が前に居た職場の上司に教えてもらったテクニックだ」
「ラズル様の上司の」
「そう、サプライズで突然プレゼントを渡してビックリさせるのさ。こうやってな」
そう言うと、ラズルはポケットから小さな包みを取り出す。
「コレは?」
「ホワイトデーのプレゼントだ」
「……っ!?」
一瞬でライナの顔が真っ赤に染まる。
「え、あ、え?」
驚きのあまり上手く声が出なくなるライナ。
「ほら、開けてみな」
「は、はい!」
震える手でゆっくりと梱包を剥がすと、中から小さな箱が出てくる。
「……」
ライナは緊張した面持ちで箱をそっと開けると、その中には銀色に輝く首飾りが入っていた。
「これは、ネックレス?」
「ああ、いつも頑張ってくれるライナへとご褒美だ。さ、つけてみろ」
ラズルに促されるままに、ライナはネックレスを首にかける。
ネックレスを持った時にライナは気付いたが、中央の飾りには青い宝石サファイアが輝いてた。
それはライナの瞳と同じ色であった。
「……どう、ですか?」
頬を染め、はにかみながらライナが聞いてくる。
「とてもよく似合ってるよ」
「……えへへ」
サファイア色の瞳が滲み、桜色の頬が喜色を浮かべる。
ライナは、主の愛情を全身で感じていた。
◆
556 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 23:55:21.13 ID:xxxxxxxxx
ニャウちゃん達何処にも居ないんだけど
557 名前:僕は探索者 :2017/3/14(火) 23:58:37.78 ID:xxxxxxxxx
出遅れ乙。とっくに帰ったに決まってんだろ。何スレ目だと思ってるんだ。
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