再会編〜マンガと青背

 唐突ですが、私には年子の妹がいます。

 で、小学生の頃、私は「少年チャンピオン」を週刊も月刊も買っていました。

 妹は「りぼん」を買っていました。

 もちろんお互い相手が買ってきたのも読んでいたわけで、私の方が持ち出しが多かったわけですが、だって仕方ないよね、お兄ちゃんだもん♪


 ベタなフレーズはさておき、当時の「少年チャンピオン」は『がきデカ』『マカロニほうれん荘』を筆頭に読み飛ばすマンガがないくらい面白かった。

 そしてもう少しあとの「りぼん」!

 詳しくは『『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代』 大塚 英志 (筑摩書房)

 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480030177/

 を読んでもらいたいのだけれど、当時は少女マンガから上の世代向けの女性向けのコミック誌ってなくて、読者と一緒に作品もどんどん対象年齢が上がっていっちゃったのです。

 本来小学生向けの漫画雑誌なのに女子大生の恋愛マンガとか載ってたり。

 マーガレットとか、ちょっとりぼんとは読者層が乖離してたしね。

 今は、りぼん→別マ→あとそれぞれ(人によっては青年誌とか、ずっと別マとか)って流れがありますけど。


 あの頃のりぼんはヤバかった。

 小椋冬美とか清原なつのとか、今でも好きですね。

 陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子、……少し年代が下がって柊あおいとか吉住渉とかも好きだったけど。

 こういう下地があったから、新井素子にもスルッと入っていけたのかもしれません、ってこないだ思った。



 というわけで私は高校生になりました。

 小学校中学校と学区でとにかく近くの子が集められていたのが、高校では偏差値によってもう選択の余地なく序列化されて振り分けられてしまいますね、特に地方の県立高校は。

 なのに、テストの点数で集められた集団のはずなのに、なぜか趣味の似通った人が多く集まるんですよね。

 Twitter風に言えばクラスタが同じ? 近い? 似てる? みたいな。


 そして他の中学から来た同級生から『軽井沢シンドローム』を借りて読んだ時の衝撃といったら!

 何これ! 面白いじゃん!!

 随所に散りばめられたガンダムネタほか、わかる人だけわかればいいみたいな小ネタギャグとか、2頭身キャラとシリアスキャラの使い分けとか、カッコよかった。

 あと、ェロい。

 あいつ中学生の頃からこんなの読んでたのかよ!!


 青年誌の面白さを知りました。


 あと、本の趣味が合う女子がいました。

 稲垣足穂の『一千一秒物語』は彼女から教えてもらいました。

 これも時代を超えてカッコいい! っていうか、こういうのはクールって表現すればいいのかな?

 新潮文庫で今でも出てますから、若い人にもぜひご一読をおすすめしますよ。


 彼女からは「『未来少年コナン』の原作を図書館で借りて読んだけれど、超つまらなかった。あのつまらない話からあのアニメを作った宮崎駿はすごい」って話も聞きました。

 数年前、復刊ドットコムで復刊されたその原作を市立図書館でみかけて私も読みましたが、ホントつまらなかったです。

 これはおすすめしません、敢えて試したいなら無理には止めませんが。


 そういえば「大塚 英志? 『システムと儀式』は読んだけど?」とサラッと言われましたね、彼女には。


 中学生の頃は、有名どころ程度しか読まなかったハヤカワ文庫をよく読むようになったのも彼女の影響ですね。

 でも、今実家にある本棚を見ても、どれが高校時代に読んだ本で、どれが大学生になってから読んだ本かは、ちょっと判別つかなくなってますが。

 青背ってのは、ハヤカワ文庫のSFの俗称(っていうかSFファンの呼び方)らしいですね、水色の背表紙のシリーズ。

 有名どころでは『夏への扉』とか。

 ファンタジー系はベージュの背表紙、こっちはなんて呼ばれてるんだろう? そういえば。

 どちらも今どきのライトノベルに比べると、ヘビー級とフライ級以上の違いがあるけれど、あと翻訳の好き嫌いもあるでしょうけれど、面白いのはあるんですよ、本格SFで『重力の使命』とか。


 部員が少ないというので、頼まれて漫研の幽霊部員にもなりましたね。

 その友人とは一緒に地元の国立大学の学祭に一緒に行って、漫研の部誌とか個人誌とか買ったのを今思い出しました。


 SFについて話す人、ミステリについて話す人、ファッションとか女の子について話す人、部活の連中や先輩……中学時代以前に比べれば少々影の薄くなった私ですが、共通の話題で話せる友人たちがいて、それどころか自分の知識や理解を凌駕するような友人たちがいて、いろいろしょっぱい思い出はさておき、高校から大学にかけて読んだ本は、周囲からの影響もあって中学時代より断然濃かったです。


 ちなみにその彼女とは特にフラグも立つことなく、卒業後一度偶然会ったきりで、今いったどうしてるんだろう?

 自分とは違って、今でも重めの渋い本を読んでいるのかな?


 突然話は飛びますが、戸川純のアルバム「玉姫様」はご存知ですか?

 高1の時の友達にレコード(まだLPレコードの時代だった)貸した憶えがあるから、中3か高1の頃にリリースされたと思うんですが、これは強烈でした。

 音楽で、一発でやられた! と思ったのは、未だこの「玉姫様」と相対性理論の「シンクロニシティーン」だけです。

 他にも好きな歌手とかバンドとかいますけど、「やられた!」はこのふたり(相対性理論っていうか実質やくしまるえつこです)だけですね。




 ああ、ほとんど本の紹介はできず、まるでただのエッセイっていうか自分語りになってしまった。

 長くなったので、大学時代はまた別に章を立てます。


 その次に、社会人になってから、というか本屋の店員になってから(ここでようやく「ライトノベル」という言葉/定義ができた時代)で終わるつもりですが、もう一節増えるかも。

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