登場人物紹介③・タカクラ・ナイン

 今回は二人紹介です。


■タカクラ(高倉拓人)


  年齢35歳、身長172cm。カミオカとは対照的なやせ型。

 間違いなくイケメンの部類には入りますが、常に冷たい笑みを浮かべているため「胡散臭い」「不気味」という印象をもたれる事の方が多いようです。


 いわゆるサイコパスの性質を持ち、なおかつ類稀なる天才。それ故に日本の教育機関では受け入れられず、裕福であった両親の計らいで幼くして渡米。名門の工科大学を飛び級で卒業し、表の世界では日本屈指のロボット設計者、裏の社会では頼まれれば何でも造る技師として名を上げます。


 戦争時には親アンドロイド勢力の筆頭となり、謎のカリスマ性で多くの若者を心酔させ、戦場に駆り立てました。


 タカクラは類稀なる天才であり、それ故に人間に対して完全に絶望しています。

全て人類は機械によって管理され、奴隷、家畜として生きるべきであると彼は確信しており、そんな世界を作り出すことが彼の理想です。


 彼の手駒達(ナイン以外にもいっぱいいます)の固有ナンバーである「Nr」はNeo ruler、即ち新たなる支配者を意味しており、彼の思いの現れであると言えます。


 今回『終わり逝く星のクドリャフカ』を執筆してみて一番苦労したのはこのタカクラの描写でしょう。


 個人的にはなかなかキャラがつかめず、苦労したキャラです。

 最初は戦闘後にちょっと丸くなった感じにしたのですが、彼はあくまでニヒルな悪役とのことなので直しました。

 原稿にOKが出た今でもこれで合っているか実は少し不安だったりします。


 よく考えたら今までこういう徹底した悪役キャラってあまり書いたことなかったので自分の引き出しの中になかったんでしょうね。反省。

 うまく彼の謎のカリスマ性だとか冷たさ、カッコいい悪役らしさが出せていたらいいのですが……。


 コメント欄やTwitterでタカクラが好きと言う人と嫌いと言う人に別れていたのも面白かったです。



■ナイン(Nr-009/Hooley-2037 type M)


 見た目は10代後半から20代前半。身長は164cm。銀髪に褐色の肌、抜群のプロポーションを備えたエキゾチックな美女です。


 元は東南アジアのとある繁華街で、ひっそりと人気を集めていた機械仕掛けの高級娼婦でした。既に流通していない幻の機種であった事や、本人の気品ある立ち振る舞いもあって、宝石のように大切に扱われていたようです。


 しかし、反アンドロイド勢力の襲撃により自分を愛してくれた主人やお客たちを殺戮され、彼女自身も破壊されてしまいます。そこを偶然通りがかったタカクラが修復し、錆色の戦乙女として生まれ変わったのが現在の彼女です。


 ナインは露出が多いセクシーな服装をしていますが、それはタカクラの趣味ではなく排熱の関係です。


 元々性的サービス専用に作られた筺体を強引に戦闘に転用しているため、オーバーヒートを避けるために露出を増やしています。ですがそのままうろつかれると目のやり場に困るので、戦闘時以外はローブを着せられているわけです。


 かつて愛すべき人々を守れなかった記憶から、今の主、即ちタカクラを自らの手で守る事に強く執着しています。また、経歴が経歴なので、自分の外見についても強い自負を持っています。主人以外の存在を人間と認めない為、敵には一切の容赦をしません。


 こういうセクシーなお姉ちゃんだとか、自分の主人にはものすごく忠実だけどそれ以外には冷たいみたいなキャラは大好物なので、書いていて楽しかったです。

 ノベライズをしていて一番好きになったキャラかもしれません。


 個人的には人間であるはずのタカクラが冷たく機械のように合理的で、機械であるはずのナインが人間味が溢れているみたいなのも面白いと思いました。


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