『災厄の壺なる世界』の予告編とか

どんなテンションで書いたのか?


 紅太 様 からレビューをしていただきました。



「どんなテンションならこんなものが書けるの……(褒め言葉)」


 主人公の少女が絶望し、狂っていく様が非常に生々しいです。

 ただひたすら無心で読み進めて、気がついたら読了していました。正常な人間には感情移入できないですね、これは。それくらい狂気じみています。

 それがいい! という人はぜひ読んだ方がいいです。


 世界観の作り込みも丁寧です。

 ゴブリンの生態なんかも、空想の存在なのにこの世の生き物かのように細かく描かれています。




 壺中天です。


 コメント、レビューしていただき、ありがとうございます。


 どのようなテンションで書いたか再現いたします(笑い)。



 まず、小説家になろう!で『――思い付いたのはとりあえず裸になることでした』という作品のタイトルが目に付きました。

 異世界転生して勇者となった少年が、また転生を繰り返して同じようなストーリーを繰り返し、三週目で女性に転生するというものです。

 鏡の前で全裸になって自分をみるシーンが印象的でした。

 しかし、主人公の心はあくまで男の子であり、それほどエロティックな展開もなさそうなのが残念に感じられました。

 ならば、自分がそのようなエロティシズムを含むものを書けばよいのではないか。


 別にTSでなくとも最初から女の子でよくないか。

 転生したとき、全裸でどこかにほっぽり出されることはわりにある。

 そこがモンスターの領域であることはよくある。

 最初に遭遇するのがゴブリンであることもよくある。

 それが裸の少女であったら、気を失っている間に犯されるのではないか。

 その最中に意識を回復したら嘆くのではないか。

 そのような状況に陥ったことへの怨みと憎悪からおかしくなってもおかしくない。


 R18ぎりぎりでいくが限界を越えてはいけない。

 エロのためのエロには意味がない。

“底知れない憎悪と怨み”に意味があるかどうかはともかく、人生の真実を切り取ろうという気概が大切です。

 そうでないと架空の物語なんて全部が嘘になってしまいます。



 当初はあえてテンプレ通りにいくつもりでした。

 ことがすんだあと町へ向かう。

 途中、盗賊やモンスターに襲われている馬車を助けてもいい。

 冒険者ギルドに登録し、その際にならず者から絡まれる。


 しかしながら、主人公の少女が暴走します。

 あれよというまに人外となり、ダンジョンマスターとなります。

 (人外やダンジョンマスターもテンプレの範囲内ではあります)


 哀れな少女を凄惨に殺し、人の道をこともなげに踏み外します。

 名もなき変質者だったはずの男が再登場して異様にキャラが立ちます。

 妊娠、出産、子殺しといきつくところまでいきついて神になりました。


 登場人物が一人でかってに動き出すことはこれまでに何度かありました。

 そんなときは予定にはこだわらず、彼らにまかせることにしています。

 そのほうが面白くなるからです。

 野放しにするのともちがいます。

 半ばは彼らになりきっている状態で、半ばはマネージャーとして調整にあけくれる感じでしょうか。

 私は平素遅筆なほうですがこういうときはかなり速く書きます。

 各話をほぼ一日くらいのペースで書き上げていたように思います。


 決まっていたのは出だしプロローグの部分だけで、後は書きながら作り込んでいきました。

 イメージがイメージを生んで連鎖していくような感じです。

 魔法などの設定はもとより、主人公である少女の名前も決めていず、そのときがくれば自ずと名前が浮かび上がってくるだろうし、なければないで構わないと考えていました。

 そして、槐の白い花から槐という名前が生まれ、槐という名前から怨呪という設定が生まれました。

(勿論、これまでの引き出しからいろいろと引っ張り出してはいました)



 つまり、これはほとんど神がかりの状態で狂気を書いています。



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