馬車の襲撃
「へぇ、こりゃ上玉だな」
「い、いや! やめ……」
たぶん、山賊は傭兵くずれなのでしょう。騎士や従者は戦いなれていなくて、ほとんど抵抗できず殺されてしまい、手下達がその装備を剥いでいます。
「おいおい、漏らしてるじゃねぇか、姫さん」
「わりぃな、小鳥ちゃん。ちょっとの間、おとなしくしててくれよ。アジトに戻ったら可愛い声で、たっぷり鳴かせてやるぜ」
それから馬に乗せてはこばれました。
「さあ、もうかまわないぜ。いい声で鳴いて楽しませてくれよ」
山賊の首領は抱えて来たわたしを粗末な木のベッドに放りました。はずみで肩を打ちつけて痛いです。
洞窟の中をくり抜いた部屋のようで板を打ち付けた扉があります。
わたしは両手を括られたままで、膝上までめくれ上がったドレスの裾を直せません。
羞恥にかられてもがきます。
「いまさら、気取んな。漏らしたとき、すっかりみられてんだろ」
男が口の端をつり上げて嘲ります。
「あっ」
思わず泣きべそをかきました。
「いっとくがな、テメェに飽きたら、あいつらに下げわたすぜ。
ぞっとします。
「わ、わたしを無事帰してください。そしたらお父様が身代金を払ってくれます」
必死で交渉しようとしました。
「そりゃどうかな? 貴族の娘なんて政略結婚の道具だ、浚われた段階で傷もんなんだよ。純潔でございますなんていったって、信じるやつがいるかよ。役に立たなくなったんなら行方不明のまま死んでてくれたほうが都合いいくらいだ」
けれど、相手はにべもありません。
「そんな……」
わたしはいやいやをするように首を振りました。
「観念しな。いいもんしゃぶらせてやるからよ」
ゆっくりとズボンを下げ、不潔でおぞましいものを剥き出します。
「うっ」
わたしは臭気に顔をそむけようとしました。
「舐めろ」
顎を掴んで無理やり向かされます。わたしは従うしかありませんでした。
「うぇっ、げほっ、げほっ」
喉の奥に出されたいがらっぽいものにわたしは
「そろそろ、本番いくか」
男が獰猛な笑いに唇を吊り上げるます。私はただ怯えるだけでした。
「がっ」
ふいに男は苦しげに顔を歪め喉を掻きむしります。
糸で絞められているように首がくびれていき、赤い筋となり肉がみえ、そして頭がごとりと落ちました。
「――大丈夫だった?」
首をなくして
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