園田美里からの手紙②

 眞鍋亮様


 前略

 

 先日、東京の友達に会いにいくという約束をしたと書いたのですが、その友達のおじさんが亡くなられたのでその約束はキャンセルになってしまいました。彼女がこちらにきて、お葬式の準備などを手伝うそうです。だからそちらに向かうのは、またあとになりそうです。ごめんなさい。

 どうしてでしょうね。せっかく生き延びたのに、どうして自分で生きることをあきらめてしまうのでしょうか。あんなにも生きたいあの日願ったはずなのに、今ではこんなにも生きることが苦しく思えてしまいます。あまりにも日々がめまぐるしく過ぎて、そのめまぐるしさが何だかあの時確かに生き延びたのだという実感をどんどん奪っていっているようなんです。

 そちらはどうでしょうか?まだ変わらず眞鍋さんはお仕事頑張っていますか?あんな時に職場の皆さんと戦っていた眞鍋さんだから、きっとわたしのような弱音はかないと思いますけど。

 ごめんなさい。暗い手紙を書いてしまって。でも、誰かに胸の内を聞いて欲しかったんです。


 草々


園田美里

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