scene5 夕餉前のひとこま

メイド「そろそろお腹がすきませんか?わたくし、お夕飯の準備をしないと」


若「ああ、そうだな。そうしよう。何か手伝えることがあったら言ってくれ」


メイド「では、遠慮なく。オーブンで使う薪を準備していただけますか?」


若「かしこまりました、姫君」


メイド「もう、何仰いますか!食料が少なくなってきてるので、あまり豪華な食事は期待はしないでくださいね」


若「君と二人でする食事ならなんだって、何より素晴らしいご馳走だよ」


メイド「今の言葉、忘れないでくださいまし?わたくし、思いっきり手抜いちゃいますよ?」


若「あはは、じゃあキッチンまでお邪魔しようかな?おしゃべりしながら、だらだらやるといいよ」


メイド「あらあら、では、ジャガイモの皮むきをお願いしましょう。

水くみもお願いできるかしら?お食事が終ったあとはお皿洗いとお皿拭き、シルバー磨きも」


若「よし、任せてくれ。頼りにされて光栄だな。」


メイド「えっ」


若「ん?なんだい?何かおかしいかい?」


メイド「いえいえ……本当に、若様は面白い方ですね。

では、参りましょうか。いもの皮むき、優しく教えて差し上げますわ」

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