第37話 大規模討伐・結果
「無い! 無いぞ!」
倒したゾンビの首を全て受付に渡した俺達は、結果の表示されたスクリーンを見ていた。どんなに探しても俺達のチームの名前が上位に見当たらない。
「どういうことよ! あんなに倒したのに星四射程圏内にも名前が無いじゃない!」
「そんな……お金が……元が……」
星五が貰える最上位チームの討伐数は三千体越え。桁が違いすぎる。それは良いとしても星四が貰える順位のチームの討伐数まで二千体越え。合計討伐数二百十二体の俺達は到底及ばない。
「あんたがあの筋肉ゾンビを逃がさなければもっと行けたかもしれないのに!」
「いや、それはおかしい! プラス三百体だとしても星四圏内すら届かねえよ! そもそも深追いするなって言ったのはお前じゃねえか!」
「何よ! やる気だって言うの! 星二の分際で!」
「当たり前だ! かかってきやがれ!」
星五オーバーを倒した実力見せてやる!
「あ―――――――‼」
俺とエディカが今にも取っ組み合いを始めようとしたその瞬間、ローネルが大きな声をあげた。
「な、なんだよローネル。急にそんな大声出して」
「そうよ。このバカに立場の違いを分からせようとしていたとこなのにびっくりしたじゃない」
ローネルは興奮した様子で両腕をばたばたさせている。
「あったんですよ! 私達のチームが!」
ああ、そう。
「どうせ下の方だろ? 見つけたところでどうだっていいよ」
「そうよ。そんなの見つけたところで意味なんてないわよ」
「上位ではありませんでしたが、ただの下位でもありません! 五千位だったんですよお!」
だからどうした。綺麗な数字だとは思うが下位は下位だ。
「嘘⁉ どうしてそれを先に言わないのよ!」
エディカがさっきの冷めた態度とは打って変わって、ローネル同様興奮気味だ。なんなんだいったい?
「五千位ってことはキリ番じゃない! 星五が貰えるのね!」
え、どういうこと?
「ハルトさんが分からないといった顔をしているので説明いたしますね。この大規模討伐では上位になればなるほど報酬は豪華になるのは知っていますよね? 目玉の星五の仲間の他に、廻魂石やお金が貰えます。ですが、三千位、五千位、一万位のキリ番に限り上位ではなくとも星五の仲間は貰えるんです!」
な、なんですと⁉
「いやー流石あたしね。あの時あの筋肉ゾンビを追わなかったのは正解だったわね」
お前さっき俺に言っていたことと違うぞ。というか毎回思うけどなんで大事なこと俺に説明しないんだよ。もうめんどくさいから心の中でツッコむことにするけど。
「おーい! ハルトー!」
すると、誰かが俺を呼ぶ声がした。振り返ると、そこにはセツナが立っていた。
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