第26話 ボーナスレイドボスの追加
そうなると当然森の中だと危険は高まるだろうし今回は諦めた方が良いと思えてきたんだが。
「こうなったら街中で他の戦功者からゾンビを奪うしか……」
エディカが物騒なことを呟いているが気にしないようにしよう。どうせ俺も加担することになるんだ。
「ん? なんか騒がしいな」
見てみると舞台の付近に人だかりができている。
『この場にいる者全員に告げる!』
すると広場全体に大臣の声が響き渡った。
『この者は他の者が討伐したアンデッドをあろうことか自分のものにしようとした! これは決して許されることではない!』
舞台の上を見ると大臣や役人の他に縛られた戦功者が一名うなだれている。
『よって、この者の身柄を拘束し後々しかるべき処置を与えるとする。他の者はこのようなことが無いよう正々堂々戦功者としての自覚を持つように』
『つい魔が差しちまったんだよお……もうこんなことはしねえから見逃してくれよお…』
『うるさい! とっとと歩け!』
大臣以外の役人達はその戦功者を連れてどこかに行ってしまった。
ほうほう、なるほど。他の人の手柄を横取りしちゃいけないのね。
「……これヤバくねえか⁉ 俺たちがやってることがばれたりしたら‼」
「エディカ、どうします?」
「仕方ないわね……。これ以上はリスクが高まるわね。こうなったらもうある程度正攻法でいくしかないわね」
このまま続けるつもりだったら縛りあげてたわ。
「それで、具体的にはどうするんだよ?」
「森に戻るしかほかないわ。暗くなって来たら明かりをつけなきゃならないし、ゾンビ共は光に群がる習性もある。あたしたちはそれを利用してゾンビ共をおびき寄せるわ」
「まともな案も出せるんだな。その作戦で行くとしようぜ。俺も最低でも星四の仲間は新たに欲しいからな」
「私も同意します。そうと決まれば早く行きましょう。ここまで戻ってくるのも結構時間がかかりますからね」
『それともう一つ』
次の方針が決まり早速森に向かおうとしたその時、再び大臣の声が鳴り響く。
『辺境の森にて星五クラスを超えるアンデッドの存在が確認された。これの討伐に成功した場合は通常のアンデッド三百体分とする。以上』
……なにい⁉
「おい! 今の聞いたか!」
「ええ、ばっちり聞いてたわ。一体で三百体分だったらどんな手を使ってでも狩っておきたいわね」
その通りだ。たった一体で大分上位との差が縮まる。今の俺たちには願ってもないチャンスだろう。
「でも星五オーバーというのは厄介ですよ」
興奮している俺たちにローネルが口を挟む。
「そういや言ってたな。てか魔物にも星があんのか?」
「この世界でのランクは全て星で統一されているわ。武器のランクも星だったでしょ? 生物である人間のランクが星なんだから同じ生物である魔物にも星のランクが存在するわ。……ゾンビって生物なのかしら?」
なるほど。じゃあ今までよくわからずに倒してきたヴェノケンとかにもランクがあったのか。今度からは一度確認してみることにしよう。
「じゃあどうする? さっきの作戦に加えて星五のゾンビを倒すってことで良いか?」
「当たり前じゃない。できれば他のチームが倒した星五を奪うのが理想だけど時間が無いわ。見つけ次第積極的に殺りにいくわよ」
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