第9話 割のいい仕事? あるなら今すぐだしな
組合に到着するとエディカは喜々として受付に向かった。
「おねーさん! 依頼を受けたいんだけど!」
「はい、ただい……あなたですか」
受付のお姉さんの顔が一瞬でニコニコ顔から曇った顔に変わった。こいつが組合に目をつけられてるってマジだったのか。そんなことも気にせずにエディカは図々しく自分の要望をお姉さんに言う。
「敵が弱いけど報酬がいい、そんな割のいい依頼って無いかしら?」
「おい、掲示板に貼ってなかったんだからそんな仕事があるわけないだろ?」
「掲示板に貼ってあるのは一部人気のある仕事って言ったでしょ。あたしが言うようなのを掲示板に貼ると希望者が殺到するからそういうのは受付に聞いたほうが良いのよ」
そうなのか。確かにそんな割のいい仕事があったら誰だってやりたくなるもんな。
「それでしたらこちらの依頼がございますが」
お姉さんはぶっきらぼうに一枚の紙を差し出した。
「ヴェノケン討伐かあ……。他にもっと良いのは無いの?」
「あなた自分の立場わかってるんですか? 私は今ある中で一番難易度が低く報酬も良い依頼を
「あっそ。じゃあこの依頼受けるわ」
「わかりました。それではこちらにお名前をよろしくお願いします」
エディカは出された紙に名前を書いてお姉さんに渡す。
「それでは承りました。依頼が終わり次第またこちらへお越しください。できることならそのままやられて二度と戻ってこないでください」
「じゃ、また後でね。おねーさん」
かなり
「お前かなり嫌われてるんだな」
「あれはツンデレのツンの部分よ。今にデレるわ」
なんつーポジティブシンキングだ。
「それはそうとべのけんってなんだ?討伐ってことはそいつを倒せばいいんだよな?」
「一言で言うのなら犬よ。今回の討伐は町の外れに大量発生したそいつらをできる限り駆除すればいいわ」
犬か。なら俺でも簡単に出来そうだな。
「依頼も決まったことだしとっとと倒しに行くわよ」
「えっ、もうか? 準備とかしなくていいのかよ」
「わざわざ簡単な依頼にしたのよ。そんな大掛かりな準備なんてしなくても問題ないわ。そもそも準備が出来るほどのお金がないし」
そういやそうだったな。金がないからこれから稼ぎにいくんだし。そもそもこいつは金があったらすぐにガチャに使いそうだ。
「それじゃ、出発しんこー!」
「おう」
「はい」
「……ノリ悪いわね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます